「苦の中に人生の宝」、ミャンマーで医療支援を10年

記事のポイント


  1. 医師の名知仁子さんは、ミャンマーで医療と農業の支援に取り組んでいる
  2. 慈善事業や国際協力を支援するソロプチミスト日本財団の賞を受賞した
  3. これを機に、自分たちが主体となり持続可能な未来を創る決意を新たに

2022年はMFCGの設立から10年になります。その節目の年に、慈善事業や国際協力を支援する公益財団法人ソロプチミスト日本財団から「千嘉代子賞」をいただきました。11月8日には一時帰国し、広島で開催された表彰式に出席してきました。(NPO法人ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会「MFCG」代表理事・医師・気功師・名知仁子)

11月8日の表彰式で(写真:MFCG)

ソロプチミスト日本財団は、「さまざまな奉仕活動に対する援助や協力を行うことにより、より豊かな生活を実現し、国際相互理解の促進に寄与することを目的に、顕彰事業や援助事業などを実施する」ために、1979年に設立されました(財団ホームページから)。

私がいただいた「千嘉代子賞」は初代理事長で茶道家の千嘉代子(せん・かよこ)さんの功績を称えて設立されました。この賞は、財団の各支部の皆さまが全国の個人・団体の活動をくまなく探し選出した後、外部審査員が審査を行い決定します。

私自身は事前に何も聞かされておらず、受賞の知らせを聞いた瞬間は大変な驚きとともに、言葉にできない喜びを感じました。私たちの活動を見てくれている人たちがいる。応援してくれる人たちがいるのだ」と、勇気づけられました。

私は4つの支部から推薦をいただきましたが、その中の3支部とは面識がありません。各支部の方々は、MFCGのホームページやフェイスブック、インスタグラムなどを丁寧に読み込み、申請書類を作成してくださったそうです。地道な活動を見つけてくださり、共感していただけたのは嬉しい限りです。

表彰式では色々な方とお会いできました。社会ボランティア賞を受賞した個人・団体の代表の皆さん、女性の研究者など支援の内容は多岐に渡り、多くの方々が社会を明るく輝かせたいという想いで活動に専念しているのだと、勇気をいただくことができました。私自身も彼ら彼女らとともに歩んで行こうと、心に誓いました。

手と手をつなぎあい、ジグゾーパズルのピースを埋めるように、自分たちの世界は自分たちで創る。その一員であることをヒシヒシと感じることができた、貴重な1日でした。

ミャンマーも含め、まだ世界は混沌としており、厳しい現実に直面しております。だからこそ「1人では何もできない」でなく、まずは、一歩を踏み出してみる。そして、他の人たちとつながってください。

「苦の中に人生の宝がある」ことを信じて、前を見て進みたいと想います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

Satoko Nachi

名知 仁子

名知仁子(なち・さとこ) 新潟県出身。1988年、獨協医科大学卒業。「国境なき医師団」でミャンマー・カレン族やロヒンギャ族に対する医療支援、外務省ODA団体「Japan Platform」ではイラク戦争で難民となったクルド人への難民緊急援助などを行う。2008年にMFCGの前身となる任意団体「ミャンマー クリニック菜園開設基金」を設立。15年ミャンマーに移住。

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キーワード: #サステナビリティ

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