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第2章:社会の中での企業の役割
2-1:企業とは社会においてどんな存在か
松下幸之助の言葉に「企業は社会の公器」という一節がある。これは、企業は社会に有益な価値を提供し、その見返りに利益と信頼を獲得し、社会的存在を許される、という意味だ。
企業は、社会と社会を構成するさまざまな組織や人に対して多大な影響をもたらす社会的な存在である。一方、企業に対し影響を与え、また利害関係を持つ組織や個人(ステークホルダー)も存在する。企業にとっては株主のみならず、従業員、お客様、取引先、地域社会などさまざまなステークホルダーが存在する。
しかしステークホルダーは必ずしも社会を代表しているのではなく、時には社会の利害と相反することもある。企業はステークホルダーとの関係性の中で、社会全体に与える利害を調整しながら活動している。良い商品・サービスをお客様に提供し続け、利益を出し、ステークホルダーの利害とのバランスを取りながら、社会に役立っていくことが「社会の公器」としての基本的な役割だ。
■古くから「三方よし」の商道徳
企業と社会の関係性を端的に表す言葉に「企業の社会的責任」がある。日本企業にとって社会的責任の考えは必ずしも新しい概念ではない。
例えば、近江商人の家訓である「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)に代表されるように、日本では古くから社会への配慮を重視する商道徳があった。
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