*この記事は「サステナ経営検定(サステナブル経営/CSR検定)2級公式テキスト2023年版(2022年11月30日発売)」から抜粋しています。テキストの購入はこちら サステナ経営検定についてはこちら
第1章: サステナビリティ/CSRを学ぶにあたって
1-7: ソフトローからハードローへ
■SDGsもISO26000もソフトロー
法律(ロー)の概念には、「ハードロー」と「ソフトロー」という二つの領域がある。ハードローとは議会などで成立した法律や条例、法的義務のある条約などの「法令」であり、違反すれば法的制裁(刑事罰や行政処分など)を受ける。
これに対し、ソフトローとは法的拘束力はないものの、社会的規範や規格・ガイドライン、世論、不買運動、メディアやSNSの意見など「社会からの要請」を指し、企業の意思決定や事業活動に影響を及ぼす。
法的拘束力や順守義務がないSDGsやISO26000は、ソフトローの典型とも言える。日本では「狭義のコンプライアンス」(法令順守)をサステナ経営/CSRの基本と位置付ける企業もある。
これまでは国内だけでなく海外事業においてもハードロー(法令)中心であり、ソフトローへの関心は必ずしも高くなかったからだ。
しかし、国内外の報道や世論により、特に労働環境やサプライチェーンにおける人権領域で、企業にその改善を強く求める動きが出てきた。
1997年に発覚した、ナイキの縫製委託先工場における児童労働事件は、今なお語り継がれる。これにより大規模な不買運動が起き、ナイキは大きな経済的打撃をこうむった。
*この続きは「サステナ経営検定(サステナブル経営/CSR検定)2級公式テキスト2023年版」に掲載しています。テキストのご購入はこちら