記事のポイント
- 商工中金は2月16日、同金庫初のサステナビリティボンドを発行すると発表
- 発行金額は100億円で、期間は10年を予定している
- 再生可能エネルギー事業や医療、子ども支援事業に充当する
商工中金は2月16日、初の「サステナビリティボンド」を発行した。発行金額は100億円。資金は、「グリーン、ソーシャル適格クライテリア」を満たす再生可能エネルギー、省エネや医療、子ども向けプロジェクトの投融資に充当する。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)
日本経済を担う中小企業の成長と発展を支える金融機関である商工中金は2022年7月、サステナブルファイナンスの取り組みを開始した。2023年2月には新たに投融資プロジェクトの対象となる「グリーン、ソーシャル適格クライテリア」を制定した。
グリーン分野の対象となる適格クライテリアは、「再生可能エネルギー」(太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱)、「省エネルギー」(ネットゼロエネルギービル、ハウス)、「汚染の防止と管理」(サーキュラーエコノミー)、「クリーンな運輸」(電気自動車開発、充電設備)、「グリーンビルディング」などである。
ソーシャル分野の対象となる適格クライテリアは、「医療」(病院、診療所の設備投資)、「子ども」(保育所)、「高齢者」(介護関連施設)、「障がい者」「災害対応」などだ。
同金庫はサスティナビリティボンドの発行に際し、対象プロジェクトのネガティブな影響と緩和策を事前に確認する。
「再生可能エネルギー」では、「土地造成に伴う土砂災害、濁水の発生、騒音、振動、大気汚染、違法伐採、水質汚濁」などだ。
「医療、子ども、高齢者、障がい者、災害対応」では、「物件の環境影響、労働環境、人権配慮、感染症対策、地域コミュニケーションとの関係」などである。
商工中金は、「適格プロジェクトの充当金額、ボンドの残高」を、年1回ホームページで公開し、透明性を高める取り組みを強化する。
同金庫は、サステナビリティボンドの取り組みを通じ、中小企業のSDGsへの取り組みに貢献し、気恋変動をはじめ様々な変化に強い社会実現を目指す。