日本でも高い人気を誇るリゾート地、モルディブ。そのラグジュアリー・リゾートの筆頭に挙げられるのが「ソネバフシ」だ。常に環境保護への高い目標を掲げ、豪華リゾートでは無理とされた対策を次々とクリア。ストイックと言われながらも、多くのソネバファンを魅了し続けている。客への啓発は当然、徹底した管理下にあるバックヤード施設にも驚かされる。
客に対峙するホテルマンとは別に、裏方として、島内のオーガニック畑やライフスタイルを管理するパーマカルチャリスト、スタッフの制服や客室のクッション、カーテンなど布類を担当する縫製技術者、ケミカルフリーのクリーニング技術者、海水の淡水化担当者、エネルギー関係の専門家、バイオロジスト、エコロジスト─と、常駐する専門家たちが揃っている。これがソネバがインテリジェント・リゾートと呼ばれる所以だ。
14年前の創業当初から始められた環境対策は継続中だが、日進月歩で進化するテクノロジーと共に対策方法も随時アップデート。スタッフ全員が環境教育を受けて作られたクラブ「SEE」(ソネバフシ・エンバイロメント・エクリブリウム)は、97年発足以来活動中だ。オーガニックレストラン内には素敵なエコ・トイレも完成した。(せきねきょうこ)
<エコなポイント>
1.滞在者に環境税(宿泊料の2%)を課税
2.木や植物を伐採せずに熱帯雨林内に移植
3.海水を淡水化し、飲料水に
4.エコセンター設置でゼロエミッションを目指す
5.首都マレの小学生に環境教育を実施
<Soneva Fushi Resort & Sixsenses Spa>
モルディブの首都マレから水上飛行機で約25分。1995年オープン以来、環境配慮型最高級クラスのリゾートとして世界から注目。施設には、スパ、レストラン、ショップ、ダイビングセンター、ライブラリィ、シャンペンバー、シネマパラディッソなど。www.sixsenses.com
執筆者プロフィール:
せきね・きょうこ フランスのアンジェ・カトリック西大学留学後、スイスの山岳リゾートで観光案内所に勤務。フリーの仏語通訳などを経て、ホテルジャーナリストに。
*本記事は、オルタナ20号(2010年8月号)から転載

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。公式サイト:www.kyokosekine.com