記事のポイント
- IFRSのサステナビリティ開示基準(ISSB基準)は2024年1月1日から適用に
- ISSB基準は2023年半ばには公表される予定だ
- 日本ではISSB基準に準拠した報告基準が2024年度中に確定する見通し
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は2月、企業のサステナビリティ、気候関連開示基準の適用開始時期を2024年1月1日と公表した。ISSBは新たな報告基準を、2023年半ばに公開する。日本では、このISSB基準に準拠したサステナビリティ開示基準が、2024年度中に確定される見通しだ。(北村佳代子)
ISSBは2月16日、モントリオールで開催された会合で、昨年3月に草案を公開した「一般サステナビリティ開示事項(S1)」と「気候関連開示事項(S2)」についても全会一致で最終合意した。
ISSBのエマニュエル・フェイバー議長は、「サステナビリティ関連情報の開示には、資本市場から早期に共通言語を開発するよう求められてきた。世界中の企業が、包括的で一貫性があり、なおかつ比較可能なサステナビリティ関連情報を報告できるよう、グローバル基準の提供に向けて真摯に取り組んできた」と述べた。
ISSBは、2021年11月にCOP26で正式に発足した、国際財務報告基準団体(IFRS)の配下に位置する組織だ。サステナビリティ関連開示に求められるベースラインを開発・提供する。各国・地域がこの基準を活用し、より広範な報告枠組みに組み込んでいくことを促す。
ISSBの基準が、各国での法定報告に組み入れられるかどうかは、各国の規制当局の判断次第だ。
日本で企業のサステナビリティ開示基準の法的枠組みを決めるのは金融庁だ。その枠組みに沿って国内基準を開発する役割を担うのが、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)だ。
SSBJは3月1日、東京でISSBとの二者間会合を初めて開いた。そこで、ISSB基準に準拠したサステナビリティ開示基準の公開草案を、今年度中(遅くとも2024年3月31日まで)に公表し、2024年度中(遅くとも2025年3月31日まで)に確定する予定であることを明らかにした。
日本のサステナビリティ開示基準は、早期適用も可能とする見通しだ。強制適用の時期については、SSBJが今後議論していくという。