家事・育児「女性のワンオペ」65%、サントリーG企業が調査

記事のポイント


  1. サントリーG企業の調査で家事・育児の「女性のワンオペ」が65%と判明した
  2. 男性パートナーは「戦力外」、4割超が21時以降に帰宅する
  3. 制度は整いつつあるものの男性が使うことへの「理解が無い」などハードルも

サントリーパブリシティサービス(東京・江東)はこのほど、同社の女性社員にアンケート調査を行い、家事・育児での「女性のワンオペ」が65%にのぼることがわかった。主な背景には男性パートナーの帰宅時間の遅さがある。男性パートナーの42%が21時以降に帰宅していた。家事・育児の男女共同参画に向けて制度の整備は進むものの、男性が利用することのハードルの高さもうかがえた。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

家事・育児で「女性のワンオペ」が改善していない

今回の調査では、依然として家事・育児で「女性のワンオペ」が続いていることが判明した。「(男性パートナーと)家事・育児をもっと分担したいと思っているが、時間が取れない」と答えた女性社員は65%にのぼった。

背景には男性パートナーの帰宅時間が遅いことがある。

子どもがいる女性社員のパートナーの帰宅時間は19~20時が29%と一番多かったものの、21時~22時は20%、22時~23時は16%と続いた。23時以降に帰宅する6%と合わせると、21時以降に帰宅する男性パートナーは42%にのぼった。

子どもがいる女性の男性パートナーのテレワークも少ないのが現状だ。テレワークしていない人は36%、週に1日未満の人も含めると半分以上となった。

ベネッセ教育総合研究所の「幼児の生活アンケート」によれば、幼児の平均就寝時間は21時前後だ。就寝時間に合わせて食事の用意や入浴、寝かしつけもある。帰宅時間が21時以降である4割の男性パートナーは、家事・育児で「戦力外」となっている。

国も女性活躍推進法などで男女の育児・家事の分担しやすい環境を整える。企業側も後押しされて制度を整えてきた。

しかし、調査では環境の整備が追いついていないこともうかがえた。調査では、男性パートナーが制度を利用する際の「使いやすさ」や「上司や周りからの理解」で否定的な意見がみられた。

調査では「制度の浸透や活用の度合いには課題があることが読み取れる」と指摘する。

調査を行ったサントリーパブリシティサービスでは企業や自治体の女性活躍推進を支援する事業「ミンナハレ」を展開する。事業推進本部の藤井綾香主任は「女性が困っていることが具体的に何なのかがわからない、という企業も多い」と指摘する。

藤井主任は「『女性活躍』をお題目にせず、男性も趣旨を理解し、一緒に参加することが重要だ」と話した。

同社では今後、同様の調査を年1回程度のペースで行う予定だ。

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萩原 哲郎(オルタナ編集部)

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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