「女性役員比と収益性に正の相関」世界の10万社調査

記事のポイント


  1. 女性役員比率の高さと売上高などの財務業績に正の相関関係がある
  2. 大手コンサル会社がESG経営を推進する世界10万社を対象に調べた
  3. 6月にピークを迎える日本企業の株主総会の動向にも注目したい

大手コンサル会社ベイン・アンド・カンパニーなどはこのほど、女性役員比率の高さと売上高などの財務業績に正の相関関係があると発表した。世界10万社を対象に調べたところ、女性役員比率、従業員満足度、サステナブル調達を重視する企業は、そうでない企業に比べて、売り上げ・利益の両面で「成長力」が高かった。取締役会の多様性拡充は企業の成長性にもつながる指標だ。6月にピークを迎える日本企業の株主総会の動向にも注目したい。(北村佳代子)

調査を行ったのは、ベイン・アンド・カンパニーと同社が出資したサステナビリティ評価企業エコバディス社。「企業のESG活動は価値を創造するのか」と題する調査結果を4月17日に発表した。

この調査は、エコバディス社がESG活動の影響をトラッキングする10万社を対象に実施した。対象企業の95%超は非上場企業だった。

多様な視点が「機会」と「リスク」とらえる

ESGの「S(社会)」の項目でエコバディス社の評価が高い企業は、おしなべて経営層における女性役員比率も高かった。

経営層におけるジェンダーの多様性で上位25%に入った企業は、下位25%の企業に比べて、売り上げ成長率は2ポイント高くなった。加えて、「稼ぐ力」の指標であるEBITDAマージン(税引き前利益に支払利息と減価償却費を加えて算出した利益率)は3ポイント高かった。

経営チームが多様な視点を持つことで、ビジネス機会と対処すべきリスクをより広い視野で捉えられ、それが結果として企業の成長につながっていると考えられる。

高い従業員満足度が、企業成長を押し上げる

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北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

オルタナ副編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部。

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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