「三井不も伊藤忠もウォッシュ」外苑再開発反対運動主唱者

記事のポイント


  1. 神宮外苑再開発反対運動の主唱者の一人がオルタナのセミナーに出演した 
  2. 三井不動産と伊藤忠は、対面での反対署名受け取りを拒否したという
  3. 主唱者のカップ氏は、「両社はグリーンウォッシュに近い」と批判した 

オルタナは5月12日、サステナブル・ビジネス・リーグ(SBL)の月例セミナーを開き、神宮外苑再開発反対運動の主唱者の一人であるロッシェル・カップ氏を迎えた。同氏によると、明治神宮外苑の再開発計画の事業者である三井不動産と伊藤忠商事は、都民らによる反対署名の対面での受け取りを拒絶したという。同氏は「両社はグリーンウォッシュに近い」と批判した。(オルタナ編集部) 

反対署名は5月18日時点で19万筆超に達した

カップ氏は米国シカゴ出身の経営コンサルタントだ。イェール大学卒業後、1988年から安田信託銀行(当時)の本社勤務を皮切りに、30年以上に渡り、日米の懸け橋として異文化コミュニケーションとコンサル業務に従事してきた。ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングを創業し、社長を務める。 

カップ氏ら反対運動の有志グループは2022年6月2日、8万人分の再開発反対署名を両社の担当者に対面した上で手渡そうとした。しかし両社はこれを拒絶し、署名は郵送するよう返事があったという。 

神宮外苑の再開発を巡っては、故・坂本龍一氏が東京都知事に宛てた反対趣旨の手紙もあり、反対署名は19万筆超に達した(2023年5月18日時点)。 

カップ氏らは、再開発運動に反対する理由について、「球場の外壁がイチョウ並木に迫り、景観が大きく変わること」「イチョウ並木への影響予測が不十分なこと」などを挙げた。 

「公益性の高い施設を全て廃止すること」「新施設が経済的に成り立つかの説明が不十分であること」も大きいという。 

対面での受け取りを拒絶したことについて、ロッシェル氏は、「両社とも日本を代表する会社であり、自社サイトではサステナビリティの取り組みを強調している。その一方で、対話を拒絶する姿勢は大きく矛盾している」と指摘し、「グリーンウォッシュに近い」と批判した。 

セミナーで、ロッシェル氏と対談した森摂オルタナ編集長は、「日本では、企業がNGO/NPOなどから批判された時に、『対話のドア』を閉めてしまうことが多い。せめて向き合い、話し合えば、解決策や妥協点が生まれるかもしれなかった」と解説した。 

■ネスレもユニリーバもNGO/NPOに向き合った 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #生物多様性

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