ANAがDEI推進で「社風改革」、非航空事業も強化へ

記事のポイント


  1. 全日本空輸は2023年3月期に3期ぶりの黒字化を達成した
  2. 働き方改革にも取り組むなか、DEIのうち「エクイティ」を重要視する
  3. 「オープンな組織風土」をどうつくるのか、DEI担当役員に戦略を聞いた

新型コロナ禍で過去最大の赤字を出した全日本空輸は、需要回復と事業構造改革によるコスト削減が進んだことで2023 年3月期に3期ぶりの黒字化を達成した。非航空事業にも力を入れる同社は、DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)のうち「エクイティ」を重要視した「オープンな組織風土」づくりを目指す。(聞き手・オルタナS編集長=池田 真隆、写真・福地波宇郎)

種家 純(たねいえ・じゅん):
ANAホールディングス上席執行役員グループCDO(チーフダイ
バーシティ、エクイティ&インクルージョンオフィサー)。1989
年4月、全日本空輸株式会社入社、マーケティング室マーケティン
グ企画部部長などを経て現職。  

─ANAは新型コロナ禍が世界的に感染拡大した2020年秋から事業ポートフォリオの見直しに着手してきました。マイレージ事業など非航空事業を強化していますが、DEIを推進するのは、こうした改革の一環でしょうか。

そうです。非航空事業とあわせたANA経済圏の構築に力を入れてきましたが、更に加速しています。新しいことに挑戦するため、社員がフラットに意見を言い合える風土に変えていくことが重要です。

社員同士の信頼関係をベースとした「心理的安全性」が高い組織、すなわちDEIが浸透した職場では、自由闊達な議論ができるようになり、イノベーションが起きやすくなると考えます。

私は21年にDEI推進の担当役員になりました。新型コロナで業績が悪化した時(21年3 月期は過去最大の4046億円の赤字)に就任したので、「このタイミングこそ企業文化やマネジメントスタイルにDEIの価値観を根付かせる好機だ」と捉えました。

公正な評価の前に公正な機会を

DEIのEは、DとIを結ぶ

公正な判断、「ウォッシュ防ぐ」

当社では「女性活躍推進」という言葉は使わない

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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