「不完全な状況での情報開示はリスクが大きい」は本当か

記事のポイント


  1. サステナビリティの取り組みが不完全なうちに情報開示することはリスクか
  2. オルタナが開いたSBL月例セミナーで議論した
  3. 透明性を高めることでサステナビリティは加速する

英国の非営利団体ファッションレボリューション日本支部プロデューサーの鎌田安里紗さんは6月13日、オルタナが開いたサステナブル・ビジネス・リーグ月例セミナーに登壇した。「開示にあたって『完璧な存在を演じない』」など、企業のサプライチェーンの透明性を高める「3つの指針」を示した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

ラナ・プラザ崩落事故はアパレル企業のサステナビリティに関心を集めるきっかけに

「自社はサステナビリティの取り組みが完璧ではないから、いま情報開示することはリスクが大きい。取り組みが不完全な部分を指摘され、グリーンウォッシュだと言われることも考えられる」——。

ファッションレボリューション日本支部は、約4000人の死傷者を出したラナ・プラザ崩落事故から10年を迎える今年、業界横断型であるキャンペーンを開くことを考えていた。

それは、1着の服ができるまでの全工程をタグに記載して、文字通りサプライチェーンを可視化する企画だ。

声をかけた企業からは、相次いで賛同を表明する返事が返ってきた。しかし、この企画は流れた。その理由が冒頭の言い分だ。

完璧でないから情報開示することはリスクなのか。

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #サステナビリティ

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