ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、最初の2つの基準IFRS S1(全般開示要求事項)とIFRS S2(気候関連開示)(以下ISSB基準)を公表しました。昨今サステナビリティ開示基準の制度化の流れが加速し、2023年は、欧州の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の最終化とCSRDに基づくEUサステナビリティ報告基準(ESRS)の委任法案の公表(本年中に最終化予定)、国内でも有価証券報告書上でのサステナビリティ開示の義務化が23年3月期決算企業から始まりました。(ESG情報開示研究会)
このような動きがある中で、ISSB基準では、TCFD提言を完全に組み入れました。GRIとも引き続き連携することを表明しており、ESRS委任法案においてもISSB基準との用語や内容の調整を行います。
これまでの様々なESGに関する開示基準を考慮したものとして、まさにサステナビリティ開示基準のグローバルスタンダードとなる最初の一歩が踏み出されたといえます。
既に一部の国ではISSB基準を導入する方針を表明しています。日本はサステナビリティ基準委員会(SSBJ)がISSB基準の公表を受けて24年3月までに開示基準の草案を公表する予定です。
ISSB基準が対象とするサステナビリティ関連財務開示は、財務諸表とともに、投資家に焦点を当てた一般目的財務報告を構成している点で、財務諸表とのコネクティビティに関しても重要なポイントです。
今回は開示する情報そのものだけでなく開示する範囲や開示タイミングなどどの整合性・同時性も期待されています。
日本企業がこれらの論点に実務上でどのように対応していくのかが注目されます。