サステナブル・ビジネス・マガジン

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ミラーワールドの憂い

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(59)  疲れ切って自宅マンションにたどり着いてから一週間。昨日あたりから咳、熱がひどい。慰めは愛犬のチョロだけだ。ちょっとした気まぐれからクルーズ船に

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桐の小箱と伎楽面

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(58)  下町に店を構える桐屋野澤堂は江戸時代から続く老舗の箪笥問屋である。桐箪笥の製造・販売が柱だが、さすがにそれだけでは食べていかれず古い箪笥の修理

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「インパール」遠くにありてなお

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(57) 「雪乃先生、遠くまでようこそ」 検温などの手続きを終え、ねっとりとした空気をまとったヤンゴン国際空港のロビーに出た瞬間、出迎えの生徒が勢いよく駆

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ちっちゃい駐車場、ありがとう

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(56)  真知バアは病院のベッドに横たわり、顔には白い布がかけられていた。私は雨の滴を背に咲く窓際のピンクのガーベラを見ていた。「真知子お義母様が遺言の

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ゲリラと大統領

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(55)  この国はかつてケチュア族が築いた広大無辺の帝国として繁栄したものの白人の征服者に滅ぼされた。以来、栄光とは無縁の虐げられた国だ。 私は今、独房

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結婚プレゼントは年金

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(54)  ブルブルと、マナーモードの携帯が着信を知らせた。表示を見るとケイだった。そのころ夜になると決まったように電話をしてきていた。「東京におって新橋

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コロナ世代の甲子園

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(53)  円藤太郎はいつも通り土と埃まみれで「春の甲子園」目指してノックのフライを追っていた。つらい、苦しい。先の見えない苦行だった。 新型のコロナウイ

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レッドリストの事件記者

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(52)  遺影がぎこちなく微笑んでいる。威嚇するような太い眉に大きな鼻と口。今では絶滅危惧種の強面の事件記者だったが、細い目は丸くてやさしかった。死因は

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殺されたソムリエ・ペトロ

「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(51)  朝のうちにブドウ木の剪定を終え、うっすらと雪を残した山の斜面を見渡すテーブルで朝刊を広げた田畑光一は思わず声をあげた。「何ですか」大輔が驚いて

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3頭のゾウとSDGsの話

編集長コラム 今日は「ゾウとSDGs」の話です。 といっても、「野生のアフリカゾウは、この100年で3%にまで減少した」とか「象牙の取引が禁止されたのにも関わらず、まだ売られている」というリアルの話で

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