グリーン天職バイブル2009-2010前書き

この本、オルタナ別冊『グリーン天職バイブル』の表紙には「前代未聞の就職ガイド」とありますが、厳密に言うと、この本は就職ガイドですらないのかも知れません。

103の企業やNPOを掲載しましたが、企業規模、業種や職種による分類はありません。農業や酪農の会社もあれば、IT企業も入っています。コンサルタント会社もあります。上場企業もあれば、社員3人という小さな会社、個人事業も入っていますし、NPOや団体も登場します。

なかには「インターンだけを募集」という企業やNPOも出てきます。新卒ではなく、中途採用だけの企業もあります。数は少ないですが、「現在は採用していません」という企業もあります。

そして何より、これまでの就職ガイドと違うのは、103人の経営者・代表自らと、103人の若手社員に自分で文章を書いて頂いたことです。

共通のコンセプトは環境、社会貢献、経営者の「志」。07年に創刊した雑誌「オルタナ」
の概念そのものです。だから、ここには「普通の」企業やNPOは出てきません。どこか普通ではないのです。

その「普通ではないこと」が、おそらくはオルタナで一貫して提唱してきた「21世紀のビジネスのモノサシ」なのです。それが何かは、皆さんが感じ取って下さい。その意味で、これは就職ガイドではなく、「経営本」なのかも知れません。

2007年に起きた世界的な金融危機は、いまだに多くの人々や企業、そして社会を苦しめています。それは、これまでの資本主義の在り方に、解決しなければならない矛盾と問題があるからです。より健全な資本主義にするためにも、いま、「新たなモノサシ」が求められています。

変化はすでに起きています。その一つは働き方。米の大学生就職人気ランキング(ユニバーサム・アイデアルの昨年調べ)によると、「ティーチ・フォー・アメリカ」というNPOが、ウォルト・ディズニーやグーグルを抑えて2位に入りました。5位にも「ピース・コープス」というNPOが入りました。この流れは日本に必ずやってきます。

この本でも、皆さんの働き方が変わるヒントを満載しています。どうか、この本で『天職』を見つけてください。

2009年2月28日
オルタナ編集長 森 摂

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