代表 相根 昭典(さがね・あきのり)

当法人のこだわり:一気通貫型の事業スキーム

木材は伐採され、製材され、乾燥やプレカット工場、卸問屋、材木屋、商社など多くの流通経路を経るため、どうしても高額になってしまいます。それぞれが歴史ある業態であり、業種ごとの改革はあまりに保守的で望むべくもありません。

そこで我々は、林業から製材、乾燥、住宅・家具部材加工、チップ・ペレット製造までの工程をひとくくりの事業体にまとめ、都市部の工務店やエンドユーザーをつないで一気通貫型のネットワークを形成し、市民金融システムまで組織化する「天然住宅」を立ち上げました。

経営の志:林業再生を目指す「天然住宅」

日本の林業は補助金をなくすと経営が成り立ちません。将来の展望がないので後継者もなく、林業従事者は高齢化しつつあります。打つ手が見当たらないのです。全国でも有名な林産地で経営状況をヒアリングしたのですが、いずれも自立した事業スキームはなく、粗利益も10%以下で赤字でした。

そこで、木材流通の川下から見直すことにしました。国産木材の利用拡大は、耐用年数の長い木材住宅の普及を基軸として、木材にかかわるあらゆる業態を改革していくことが鍵となるのです。コンセプトに賛同する都市部の工務店に10社以上連携していただくと、1社あたり年間5―20棟の施工能力があるので、年約100棟のマーケットが生まれます。ここでの売り上げが安定してくれば、川上に雇用が生まれます。

これらの事業を横串にとらえて、認証制度を創設します。持続可能な森林管理、木材加工から最終製品の製造工場、流通、建築工法、施工法、住宅の維持管理の各認証を一気通貫でまとめます。

特筆すべきCSR活動:全国に普及する

これらのノウハウを各地に移植し全国に普及します。林産地や過疎地には、持続可能なエコヴィレッジを創る企画をしています。そこでの暮らしは、自然農を営んで食料を自給し、木質バイオマスと温水ソーラーやソーラー発電をエネルギー源にする持続可能な暮らしを実現できます。組織や社会に縛られず、個人が主体となって生きられる場になります。

さらに、Iターン、Uターン、リタイア組だけでなく、心身を病んだり、目標を失った若者など、現代社会から疎外された人々がむしろ生かされるコミュニティーが形成できるでしょう。もうすでに、関西や被災地で計画が実施段階に入っています。

経営者・個人として思うこと:林業の再生にあたっての問題点

石油依存による多消費型物質文明により、「モノ」だけは満たされましたが、幸福はどこにも見当たりません。相変わらず、短命な生活消費材などに溢れる「便利で持続不可能な暮らし」を捨てられないで、環境の悪化に加担する暮らしぶりです。

生活消費財には、わずか30年で解体されてきた住宅も含まれますが、その住宅に使われる木材はCO2を出して主に海外から輸入しているのが現状です。国内の森林は手入れされずに荒れ放題になりCO2は吸収できていません。土砂崩れや海の荒廃にもつながっています。

戦後の植林で多くの資材と労力をつぎ込んだにも関わらず、木材自給率は低いのです。「日本は人件費が高いから価格が高く、外材は安いから」と説明されます。でもそうとも言えないのです。むしろ現在は国産材が下落して外材よりも安くなっています。

かつての森林は活用されていました。間伐材を足場丸太、柱、下地材、化粧材などにして販売し、杉皮は屋根材、キノコなど特用林産物と複合するなど工夫していました。主伐材は建築材料にするだけでなく、端材で樽たるや木箱、仏具、神具などを作っていました。残った木屑は割り箸を取り、最後は調理・暖房用にエネルギー利用していました。歩留まりを上げ、マーケットのニーズに応える商品開発がなされていたのです。

しかし、現在の林業では1本の木の30%に満たないほどの歩留まりだと言われています。植林はしたものの、伝統構法の家づくりから脱却できず、現代建築のニーズに合った製品開発を怠ってきたのです。さらに、機械加工に頼り手刻みをしない大工は、使い回しの知恵がありません。

60─100年手塩にかけた木材を製品に仕上げても、そのほとんどを捨ててしまっては経営が成立するはずがないのです。今一度、マーケットが自然回帰を求め始めていることを好機ととらえ、商品開発や事業構造を見直すべきなのです。

理想の職員像:ポジティブに挑戦できる人

クリエーティブな営業をこなしつつ、建築・林業・林産業・市民金融・コンサル・社会活動など多岐に渡る業務をポジティブにとらえ挑戦できる人。建築の経験があり、意欲的な中途、新卒を募集します。

 

若手職員から

井上 あいみ
営業
社歴:5年8カ月(2014年1月現在)
※2012年1月~2013年3月まで育児休業取得

前職で大企業での仕事内容に違和感を抱き、NPOへの転職を本格的に考えていた矢先に、天然住宅の立ち上げに加わるという縁があり、入社しました。

当社は「非営利の住宅会社」なので、「家を売る」というよりも「暮らしの提案」を行っています。建主は山に入って自邸の大黒柱を伐採してもらうと長く住み継いでいこうという想いが生まれ、有難いことに「天然住宅ファン」になってくださいます。

同じ方向を向いた仲間たちと問題点の解決策を探りながら、切磋琢磨し合うことには、やりがいを感じています。そして、お客さまや仕事を通じて出会う人たちが本当に魅力的な方ばかりなので、たくさんの刺激をもらっています。これからも、多くの人たちに喜んでいただけるような家を届け、社会問題の解決につながる家づくりを、伝え続けていきたいと思います。