「育児と仕事」キャリアを中断せずに働く3児の母に聞く

乙黒は15年4月にサービスが始まった、「はたらくママのための育児タクシー(ママタクシー)」にも注目している。これは、コカ・コーラ財団が支援している若手の企業家集団、グローバルシェーパーズの発案をきっかけにして生まれたもので、スマートフォンにアプリをインストールすれば、必要な時、必要な場所にタクシーを呼び出すことができるものだ。

「私の子どもがもっと小さい時に、このサービスがあったら良かったな、と思いますね。急な発熱時などは、急いで子どものところに向かわないといけない。でもタクシーが来るまでは動けない。ママタクシーのアプリを使うと、タクシーの到着時間が分かるので、たとえばあと10分かかると分かったら、仕事の引き継ぎやメールなどが時間配分を気にしながらできますからね。小さいお子さんを持つ方に積極的に活用してもらいたいです」

こうしたさまざまな制度が生まれてくることで、乙黒に続く「働くママ社員」たちも大いに助けられることだろう。しかし、どれだけ制度が充実し、会社の仲間の理解があったとしても、それだけでは足りない。育児をしながら仕事を続ける上で最も必要なのは、「家族の理解」だ。

「子どもたちの理解なしでは、一人の母親としても、一人の会社員としても、中途半端になってしまう。だから私は子どもたちに、自分の仕事を見せているんです」

乙黒はハピネスファミリークラブという社内のクラブ活動に参加している。そこで仲間たちといっしょに、「オープンオフィス」というイベントを企画し、夏休み中の子どもたちに会社訪問をしてもらうことにした。「親がなぜ働くのか。それを理解してもらうには、子どもたちに間近で仕事を見てもらうのが一番だと思うんですよね」

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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