最近になって、社内制度はますます充実してきている。働く女性を支援するだけでなく、女性のキャリアアップ支援にも積極的なのだ。これからもずっと仕事を続けたいと思っている乙黒も、会社のこうした動きを心強く感じている。
たとえば、2020年までに世界全体でビジネスを2倍に成長させることを目標に掲げる、コカ・コーラシステムの長期成長戦略「2020 VISION」でも、働きやすい職場環境づくりや女性の積極的な登用などが重要なテーマとなっている。
2012年に、日本コカ・コーラ社内に発足したwomen’s linc(ウーマンズリンク)もその一環で生まれたものの一つだ。もともとは米国本社発祥の組織で、女性社員が自主運営をして、さまざなま交流会や勉強会を開いている。ウーマンズリンクは登録制で、各イベントに好きな時にすることができる。乙黒も最近、「綾鷹」のワークショップに参加した。
「合組(ごうぐみ)という、茶葉をブレンドする作業などさまざまな体験をさせてもらったんです。お茶そのものを深く知ることができて、これまで以上に自社製品のことを考えるようになりました」
交流会を通じて、社内の女性社員との関わりも深まった。それはコマーシャリゼーションマネジャーとして、部署を行ったり来たりする乙黒にとって、実務的に有益であるだけでなく、育児などで同じような悩みを抱える社員との情報交換の場をも生んだ。
■一番必要なのは「家族の理解」