その異名は「白い金」、リチウムに二つの課題

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記事のポイント


  1. EV用電池の原料リチウムには、「ホワイトゴールド」という異名がある
  2. リチウムの色と需要期待からこの名が付けられたという
  3. リチウムの需要は高まっているが、安定供給には課題も

EV(電気自動車)用電池の原料でもあるリチウムには、「ホワイトゴールド」という異名がある。宝飾品用の合金や白金(プラチナ)のことではない。リチウムの色と需要期待からこの異名があるのだ。(新語ウォッチャー=もり ひろし)

近年リチウムの需要は高まる一方だ。チリ銅委員会の予測では2030年の世界需要が約179万トン(炭酸リチウム換算)に及ぶ。

これは2019年の5.6倍で、その79%をEV向けが占める(2019年は32%)。この需要期待を指してホワイトゴールドラッシュと称するメディアもあった。

もっとも2022年から2023年初頭にかけては、リチウム価格の高騰と暴落という出来事もあった。

それゆえ直近の需給予測は難しいが、長期的な需要圧力はなお高いと見られる。

そんなリチウムの安定供給には2つの懸念材料もある。ひとつは精製国の偏在。

精製済みリチウムの輸出はチリ・中国で8割弱のシェアを占めており、経済安全保障の観点でその分散化が課題となる。

もうひとつは環境破壊の問題だ。リチウムの生産・精製には大量の水を必要とするほか、汚染物質を排出する懸念もある。増産にあたってはその対策も課題となる。

morihiroshi

もり ひろし(新語ウォッチャー)

新語ウォッチャー。国語辞典の新項目執筆を中心に活動。代表的な連載に「現代用語の基礎知識」の流行観測欄(2010年版~)など。執筆記事一覧

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キーワード: #脱炭素

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