「女性蔑視」発言 「困ったときの女頼み」は論外、上野千鶴子

――7日夜に組織委員会は、森会長の発言に関して、公式サイトに「五輪の精神に反しており、不適切だった」と掲載し、9日には日本オリンピック委員会の山下泰裕会長も「極めて不適切」と会見で謝罪しました。ただ、森会長の進退までは問わず幕引きを図ろうとしています。

上野:このままでは終わらないでしょう。コロナ禍によって、オンラインアクティビズムが広がっています。キャンペーンに参加するハードルが下がり、(森会長の)辞任を求めるオンライン署名には11万人以上が署名しています。

政治家の不祥事や数の力で「何を言っても変わらない」と無力感を抱いている人も多いようですが、検察庁法改悪の時には「発信すれば変えられる」という達成感を味わいました。

組織委は幕引きを図ろうとしていますが、場合によっては追い込めるかもしれません。

こういう時には「困ったときの女頼み」でトップを女にすり替えて、五輪の中止を決めさせるという手もありかも。女に後始末を押し付けるそんな汚い手はもってのほかです。

ジェンダー平等を加速するには、ボトムアップではもう限界です。女性は十分に変わりましたから。これからは、トップダウンで動く必要があります。

罰則をつけるなど法的強制力を伴って、ジェンダー平等に取り組むべきです。意思決定ができる立場にいる人が、自分の意思決定権をジェンダー平等を促進する方向に行使してほしい。トップが変われば組織は変わります。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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