全ての人に確実なインフォームド・コンセントを(後編)

病気やケガは予見できません。受診にあたり聞こえない・聞こえにくい人が手話通訳を事前に準備することは実際には、そう簡単なことではないのです。

そこで、NPOインフォメーションギャップバスターは、「安心して受診できる医療体制の構築」を目指し、病院内手話通訳者同士の連携を強化し、手話通訳体制の標準化を目指しています。

急病時でも、医療知識があり、院内の事情を把握している手話通訳者が病院に配置されていれば、聞こえない人や聞こえにくい人は、コミュニケーションの心配なく、安心していつでも受診することができます。そうした環境があってはじめて、確実なインフォームド・コンセントが成立するのではないでしょうか。

※各調査では「手話言語通訳」という表記を採用しているが、本記事では、タイトルを除いて、一般的に使われている「手話通訳」表記で統一しています。

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伊藤 芳浩 (NPO法人インフォメーションギャップバスター)

特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター理事長。コミュニケーション・情報バリアフリー分野のエバンジェリストとして活躍中。聞こえる人と聞こえにくい人・聞こえない人をつなぐ電話リレーサービスの公共インフラ化に尽力。長年にわたる先進的な取り組みを評価され、第6回糸賀一雄記念未来賞を受賞。講演は大学、企業、市民団体など、100件以上の実績あり。著書は『マイノリティ・マーケティング――少数者が社会を変える』(ちくま新書)など。執筆記事一覧

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キーワード: #障がい

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