■NPO選びで間違えないためには(5)

日本の寄付市場は、東日本大震災を機に拡大傾向にあり、個人寄付者による寄付総額は7756億円に上る(2016年)。データが重要視される社会において、個人寄付者は慈善活動の成果「チャリティインパクト」をどこまで評価しているのだろうか。米国NPO 評価機関最大手BBBワイズ・ギビング・アライアンス(以下、BBB)が発表した最新の調査報告書によると、寄付者はより長期的な成果を重要視していることが分かった。(一般財団法人非営利組織評価センター=村上佳央)

「チャリティインパクト」とは

「チャリティインパクト」とは、一般的に「慈善活動の成果」を意味するが、まだ確立した定義がなく、人によって理解が異なる。例えば、数的成果、プログラムの質、投下費用の効率性、プログラムの達成状況などが挙げられる。

・数的成果(例:昨年度Yという役務を享受した人数がX人に達した)
・プログラムの質(例:チャリティの提供したサービスに満足した)
・投下費用の効率性(例:Xドルによって、Y人にワクチン接種された)
・プログラムの達成状況(例:放棄されたペット全頭の収容シェルターを建設)

BBBは2020年12月、米国で2100人、カナダで1000人を対象に、一般人が寄付する際に考慮する重要なポイントについてアンケート調査を実施した。そのなかからいくつかポイントを紹介する。

1.「チャリティインパクト」の意味を知らない回答者は47%
チャリティインパクトとは何かについて混乱があり、答えは一つではないことが分かる。

2.寄付する際の重要な基準は、1位が「信頼度」(39.5%)、2位が 「インパクト」(30.7%)、3位が財政状況(28.2%)
チャリティインパクトは、あくまで一つの指標としてとらえる必要がある。

3.短期的な成果、長期的な成果どちらも重要視されている中で、より高く重視されていたのは長期的な成果である

4.個人の寄付者にとって、チャリティだけが選択肢ではない
大きな変革をもたらすと考えられているのは、(1)直接個人に与える(27%)(2)民間公益団体(24%)(3)宗教団体(22%)となった。

(出典:2021年BBB Wise Giving Alliance発行『Donor Trust Special Report:Charity Impact』)

過剰な成果の説明は不信感を招く

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