伊ファッションブランドのボッテガ・ヴェネタは3月18日、大邸宅を改築した新アトリエが環境評価制度「LEED NC-2009」(新築・大規模増改築部門)でプラチナ認証を取得したことを発表した。ラグジュアリーファッションブランドとしては世界で初めてで、資材の再利用やソーラーパネルの設置などによる省エネ対策が評価された。(オルタナ副編集長=吉田広子)
LEED (Leadership in Energy and Environmental Design)は、環境に配慮した建物に与えられる認証で、米国の非営利組織「グリーンビルディング協会」が開発・運用している。
ボッテガ・ヴェネタは2013年9月、18世紀に建てられた大邸宅(ヴィラ・シュローダー・ダ・ポルト)に柱列や建物を増設し、新アトリエを完成させた。
このアトリエは、イタリアのモンテベッロ・ヴィチェンティーノにあり、政府が歴史的区画として保護している5万5000平方メートルの土地に建てられている。そのため、アトリエ周辺では、既存の植生を尊重し、認定を得た資材や植物のみを使用した。
アトリエの資材には、元々使われていた資材の75%以上が再利用されているほか、新たな建築資材は、現地に可能な限り近いところから調達、木材はFSC(森林管理協議会)認証木材のみが使用されている。
このほか、水や人工照明の使用を制限するなど、エネルギー使用量の抑制にも取り組んでいる。
屋根には1200平方メートルのソーラーパネルを設置したほか、雨水をリサイクルするシステム、地熱を利用することで二酸化炭素の排出を抑える暖房・空調システムなどの省エネ対策も行う。
さらに、快適な職場環境を確保するため、騒音を遮る仕組みを作ったり、自転車通勤を推進するための駐輪場所を設置したりしている。
ボッテガ・ヴェネタのマルコ・ビッザーリ社長兼CEOは「LEED認証は、私たちが環境保護と人々の福利について条件を付けることなく真摯に取り組んできたことを示すものといえる。プラチナ認証は長期的に持続可能な発展、私たちにとって一番重要である人々とその健康に対する継続的な投資を真に称えるものであり、この認証を取得できたことを誇りに思う」とコメントしている。