[書評:ソーシャルファイナンスの教科書] 社会を良くするお金の使い方

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本人にそのつもりがなくても、多くの日本人は、年金保険、貯金などを通じて間接的な投資家になっている――。河口真理子・大和総研調査本部主席研究員は、著書『ソーシャルファイナンスの教科書』(生産性出版)のなかで、こうした「無意識のお金」に目を向ける重要性と、金融全体に社会環境配慮を組み込む「ソーシャルファイナンス」の可能性を紹介している。(オルタナ副編集長=吉田広子)

本書では、投資はギャンブルではない。証券投資の本来の役割は、「社会発展のために金融資産を適正に配分すること」としている

本書では、投資はギャンブルではない。証券投資の本来の役割は、「社会発展のために金融資産を適正に配分すること」としている

多くの日本人は、「投資」と聞いただけで、自分には関係のない話と思うかもしれない。

本書によると、日本人が保有する金融資産1694兆円のうち、半分以上が現金か預貯金で占められ、証券投資は約17%にとどまる。その内訳は、株式・出資金が9.5%、投資信託が5.5%、債権が1.7%だ。

複数口座を持つ投資家が少なくないことを考えると、株式を保有している人の割合は1割前後と見込んでいる。

だが、河口研究員は、「『運用している意識』がなくても、保険や年金基金の原資を出している私たちは間接的な投資家。最終的な資産所有者であり、投資の運用業務の最上位に位置している」という。

「投資はギャンブルではない。証券投資の本来の役割は、『社会発展のために金融資産を適正に配分すること』。もっと多くの人に、『業績の将来性』と『社会的価値の将来性』の視点で、自分にも社会にもプラスになるお金の運用・投資活動に参加してほしい」と呼びかける。

■「お金の地産地消」で地域の課題を解決

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2015年7月30日(木)19:47

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