都、自然エネ電力小売事業に着手 ノウハウ蓄積へ

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都と都環境公社は、FIT(固定価格買取制度)由来の自然エネルギー電力を小売するモデル事業に乗り出す。電気は調布市内の太陽光発電、宮城県気仙沼市内のバイオマス発電から調達。公社施設に自然エネルギー100%の電力を供給する。電力小売の知見を蓄積し、自然エネルギーを中心に扱う都内のPPS(新電力)を増やす考えだ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■みやまスマートエネルギーと連携

気仙沼市内のバイオマス発電設備(都報道資料から引用)

気仙沼市内のバイオマス発電設備(都報道資料から引用)

FIT電気の調達先は、調布まちなか発電の太陽光発電(設備容量272キロワット)、および気仙沼地域エネルギー開発のバイオマス発電(同738キロワット)。前者は調布市と協定を結び、市の公共施設の屋根を借りて太陽光発電を実施している。一方、後者は地域の林業で出た間伐材を使用する。

調達した電気は公社施設の都環境科学研究所、および7月オープン予定の水素情報館「東京スイソミル」に供給。2施設で使用する電気は自然エネルギー100%となる。

公社がモデル事業を通じてPPSとなることで電気の需給調整、およびFIT電気の調達等に関する知見を蓄積。みやまスマートエネルギー(福岡県みやま市)と連携し、技術支援を受ける。また、FIT電気の共同調達および知見の共有なども行う。

今回のように、自治体が電気の供給に参入するケースが増えている。みやまスマートエネルギーもみやま市が55%を出資。浜松新電力(浜松市)や中之条電力(群馬県中之条町)などが発足している。ただし地方でのケースはエネルギーの地産地消を通じた地域振興が目的だ。

一方、大都市の東京ではエネルギー消費の最適化を通じた省エネや温暖化防止等に力点が置かれる。都は3月に策定した「環境基本計画2016」で、2030年までに都内で消費する電力の3割を自然エネルギーとする目標を掲げる。

ところが現状では自然エネルギーの導入量は9%弱にとどまる。また現在、都内で自然エネルギーを中心に扱うPPSは少ない。公社では「モデル事業で得た知見をもとに自然エネルギー中心のPPSを増やしたい」と説明している。

2016年4月21日(木)17:48

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