「食卓のマグロに逆風?」なのはどっちだ

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「ソーシャル・イノベーション・マガジン」を標榜する弊誌「オルタナ」は、これまで農業や林業などの第一次産業の現場を伝える記事を多く発信してきた。日本の第一次産業こそソーシャル・イノベーションの舞台であるべきという思いからだ。(オルタナ編集長・森 摂)

そして、遅ればせながら、次号・46号(9月末、全国の書店で発売予定)では初めて「漁業」の第一特集を組む。現在、編集部や外部執筆者の皆さんが鋭意取材中だ。

そんな中、8月29日、福岡市で太平洋クロマグロ漁を巡る国際会議(正式名称は「中西部太平洋まぐろ類委員会の小委員会」)が開幕した。

世界のクロマグロ消費量のうち、日本は実に8割、ウナギは7割(うち7割が大手スーパーや飲食チェーン)を占めるなか、日本の水産庁は、実効性のある漁業規制を打ち出せてこなかった。

これも遅ればせながら、今回の会議で日本は自らの漁業規制案を提案した。だが、「生後1年未満の漁獲量が3年続けて低水準だった場合」という、なんとものんびりした内容で、参加国の賛同は得られそうにない。

ところで、それを報じる8月30日付け新聞記事の見出しを見て、驚いた。

「食卓のマグロに逆風?」

「ウナギ・サバを含め規制強化の動き」に対しての見出しだが、マグロにとっては規制強化は「順風」のはず。日本では結局、漁業者や流通業者の目先の利益視点になりがちであることを、図らずも浮き彫りにした見出しだった。

さて、次号の第一特集では、勝川俊雄・東京海洋大学准教授にも寄稿頂いた。日本の漁業研究者の中では、この人が間違いなく第一人者だ。そのコラムの一部を紹介しよう。

勝川さんの見出しは「なぜ日本の漁師は、魚が大きくなるまで待てないのか?」。

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2016年8月31日(水)2:26

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