サステナビリティ日本、ESG投資でシンポ

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特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラムは2月1日、機関投資家や企業などに向けたシンポジウム「ESG投資の台頭、企業に求められるシナリオプランニング/シナリオ分析」を都内で開催した。(オルタナ総研スペシャリスト・室井孝之)

高崎経済大学経済学部の水口剛教授は「ESG投資の進展と情報開示の先行き」と題し、「目先の利益追求が、リーマンショックを引き起こした」「電気自動車(EV)のように、ESGの対応が、実際の企業利益に直結するようになった」と指摘した。その上で「環境や社会に配慮しないと長期的な経済活動の基盤が失われかねないとの認識が拡大したことが、ESG投資進展の背景にある」と話した。

水口教授は、非財務情報開示の手段として「CDP:Scope3の開示」「モントリオール炭素宣言(Montreal Carbon Pledge)による「ポートフォリオのカーボンフットプリントの開示」、「Fish Trackerの主張:漁場、魚種、漁獲 の開示」と3つの手法を紹介した。

東京大学公共政策大学院の角和昌浩客員教授は「シェル流シナリオプランニング」と題し、「シナリオプランニングとは、『将来の展開が読みにくい事象を、長期の政策環境やビジネス環境の変化を複数イメージしリスクの可能性を最大限広げて探索する』こと」と話した。また、「際立って内容が異なった、いくつかのシナリオを用意して自由闊達に話し合うとリスクの特定がしやすい」と述べた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社クリーン・エネルギー・ファイナンス部の吉高まり主任研究員は、「気候変動と投資家および金融機関の動き」と題し、講演した。

その中で、「グリーンボンドとは、グリーン事業に資本使途を限定した債券だが、2017年度の発行額は1500億ドルを突破した」と指摘したのに続き、「ブラックロックとは、GRIFに次ぐ規模の米国ファンドであり、2017年12月に120社に対し気候変動リスクの開示要求し、2018年1月には低炭素インデックスファンドを組成したと述べた。

特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラムの後藤敏彦代表理事は「2017年6月に世界の金融規制当局、中央銀行総裁が参加メンバーとなっている金融安定理事会(FSB)のTCFDが気候関連財務情報開示に関する勧告を発表し、7月のG20に提出した」ことを指摘した。
その上で、「TCFDは気候変動についてリスクと機会を整理し、シナリオ分析の必要性についても言及している」と強調した。

後藤代表理事は、いま企業が求められていることとして 1)トップの指示でシナリオプランニング/シナリオ分析検討会を立ち上げること 2)経営企画・財務・IR・環境/CSRを中心に動くこと 3)期間は3ケ月以内 4)体制・検討期限・アウトプットなどを答申すること――と締めくくった。

2018年2月5日(月)13:03

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