企業とNPOが空き家活用で母子家庭を支援

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空き家のデータベースを持つ空き家活用(東京・港、和田貴充社長)と母子家庭を支援するNPOリトルワンズ(東京・杉並、小山訓久代表理事)は、空き家を活用した母子家庭の住宅支援をしている。空き家戸数は増加傾向にある一方、母子家庭は居住問題を抱えており、マッチングすることで二つの社会課題を解決する。(松島 香織)

空き家活用の和田貴充社長(左)、NPOリトルワンズの小山訓久代表理事(写真提供:空き家活用)

総務省統計局の調査によると、全国の2003年の空き家戸数は約659万、2013年では約820万となっており10年間で約161万戸増加した。その5割以上を賃貸用住宅が占める。

人が住まない空き家は防災や防犯のリスクがあり、最悪の場合所有者が管理を放棄するなど大きな社会問題となっている。少子高齢化に伴いさらに空き家の増加が見込まれており、今年6月に国は官民連携による「空き家所有者情報」の活用を促進するガイドラインを市町村向けに拡充したばかりだ。

リトルワンズは母子家庭の生活支援や子どもの貧困問題などに取り組んでいる。母子家庭にとって住居を探すことは、偏見にさらされたり保証人を探す難しさがあり一番の悩みだという。

同NPOは昨年12月に、空き家を母子家庭向けにシェアハウスとして整備する居住支援を、国土交通省の「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」に提案し採択された。杉並区の賃貸住宅供給促進事業にも参画しており、これらの取り組みが評価され今年5月に東京都の居住支援法人に指定された。

居住支援法人は、住宅確保要配慮者の家賃債務保証や入居に係る生活支援を行う法人として都道府県が指定する制度だ。これにより煩雑な居住支援をスムーズに行うことができる。

■モデル化し支援を広げる

小山代表が和田社長と出会ったのは、今年2月の勉強会だった。「事例発表後に『母子家庭支援をしているなんて素晴らしい』と声をかけられました。われわれの支援に感動してくれ嬉しかったです」と小山代表は振り返る。

空き家活用は東京や大阪など主要都市約4万件の空き家のデータベースを持つ。4月に賃貸物件のオーナーを対象にセミナーを開催し、講師は小山代表が務めた。企業とNPOが仲介した母子家庭への住居提供は、参加者から「嬉しいコンテンツ」と反響が大きかったという。

賃貸物件のオーナーを対象にセミナーの様子(写真提供:空き家活用)

「空き家が流通しなかったのは、オーナーと企業のコミュニケーションが取れなかったからです。ストーリーを語ることで必ずマッチング出来ます」と和田社長は意欲的だ。今後5年間でデータベースを100万件に増やし「誤解を恐れず『世の中を良くする事業は儲かる』と言いたい」と笑顔を見せる。

今後この取り組みをモデル化し、住宅支援が必要なLGBTや障がい者、受刑者などに広げる予定だ。

2018年7月2日(月)10:00

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