障がい者雇用に求められる合理的配慮とは

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2018年4月に障害者雇用促進法が改正されたことを知っていますか。法定雇用率が民間事業者では2.0%から2.2%に、行政機関では2.2%から2.4%にアップされ、さらに精神障がい者が対象に追加されるなどの点が改正となりました。しかし、障がい者雇用率の水増し問題をはじめ、障がい者雇用は大きく揺らいでいます。(公益財団法人日本ケアフィット共育機構・サービス介助士インストラクター=冨樫正義)

日本ケアフィット共育機構では、「サービス介助士」の育成に取り組んでいる

法律では雇用率のほか、事業者には雇用後における合理的配慮の提供を求めています。これは事業主に障がいのある人が職場で働く際に支障が生じているようであれば、その改善をすることを義務化したものです。具定例を以下に示します。

◆車いす使用者の従業員に対して
・入口に段差があれば解消のためにスロープをつける
・テーブルや作業台、資料等のある棚の高さを調整する
・オフィス内の通路幅を広げたり、トイレが現状で使用できるか確認したりする
・障がいにより体温調節が難しいようであれば、都度室温を調整する

◆聴覚に障がいのある従業員に対して
・口話、筆談、手話などその人が日常で使用しているコミュニケーション方法を理解し、意思疎通に役立てる
・会議などでは手話通訳者や要約筆記者を配置する。また、発言する際は手をあげるなど、複数の発言が交錯しないようなルールを作る
・ゆっくりはっきりと話すなど、その人の聴力に合わせたコミュニケーション方法をとる
・情報がきちんと伝わっているか確認のためにも、常に会議議事録を作成する

◆視覚に障がいのある従業員に対して
・資料の文字を拡大したり、点字を使用したり、都度読み上げたりする
・紙を極力無くし、パソコンの読み上げソフトに対応できるように、テキスト形式データを活用する
・トイレや部屋移動の際に、歩行介助できるように、全ての従業員が基本的な歩行支援ができるように研修を行う
・通勤ラッシュ時の移動が難しいようであれば、勤務時間を調整する

こうした合理的配慮は障がいのある人が職場で孤立せず、業務を全うするために必要であり、どのような配慮が必要かはその人によって異なります。

日本ケアフィット共育機構では、「サービス介助士」の育成に取り組み、企業での導入が進んでいます。サービス介助士とは、主にサービス現場で障がいのある人や高齢な人などが、何かお手伝いが必要な際に、さっとお手伝いができるように、基本的な介助技術を学んだ人です。駅のホームで介助をしている駅員の方々もサービス介助士を取得していることが多いので、みなさんもサービス介助士の活躍を見たことがあるかも知れません。

雇用率も大切ですが、従業員一人ひとりが快適に働くために、企業にはしっかりとした準備と対応が求められます。職場の環境を整えることは、障がいの有無に関わらず、全ての人が働きやすい環境作りにもつながるでしょう。

2019年1月15日(火)13:17

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