国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京・新宿)は4月25日、ペットボトルの代替策として給水機の増設を求める署名5086筆を東京都環境局に提出した。都は現在、オフィスビルや大学とプラスチック削減プロジェクトを進めているものの、給水器の増設については「検討する」と述べるに留まった。(オルタナ副編集長=吉田広子)
PETボトルリサイクル推進協議会によると、日本では毎年227億本のペットボトルが生産され、東京・荒川で一番多く見つかるゴミはペットボトルだという(NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム調べ)。
そうしたなか、グリーンピース・ジャパンは今年1月、マイボトル給水機の増設を東京都知事に求めるオンライン署名キャンペーン「給水機でペットボトルを減らそう TOKYOペットボトルフリー」を開始した。
■駅や観光スポット、公園に給水器がほしい
グリーンピースの調査によると、2人に1人以上の都民がマイボトルを所有しているにも関わらず、その8割が外出先でマイボトルを使って給水をしていないことが分かった。給水機が欲しい場所として、駅、観光スポット、公園などが挙げられ、全体の7割が「身近な場所で給水機から給水できるなら、マイボトルを携帯する」と回答している。
グリーンピースは東京に30台のマイボトル給水機が設置されれば、半年間で約100万本のペットボトルに相当する水が、マイボトルで利用されると推計している。
5086筆の署名を受け取った東京都環境局資源循環推進部の古澤康夫専門課長は「大学やオフィスビルとプラスチック削減の対策を一緒に進めているところ」とし、民間連携が重要だとの認識を示した。給水機については「プラスチックを減らす具体的な選択肢の一つとして大事なアイデアだ」としたものの、増設については「検討する」と述べるにとどまった。
都は6月をめどにプラスチック削減に向けたアイデアを民間から公募するという。助成額は1件1500万円で2件採択予定だ。
「ペットボトルフリー都市」を目指す英ロンドンでは、給水器の増設のほか、飲食店が無料で水をリフィルする取り組みが広がっている。グリーンピース・ジャパン・プラスチック問題プロジェクトの大舘弘昌リーダーは「ペットボトルフリーの街づくりを東京から全国に、そして世界に発信していくリーダーシップを期待している」と話した。
グリーンピース・ジャパンは引き続き給水器増設を求める署名への参加を呼び掛けていく。