間伐材使用の舗装で環境貢献

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埼玉県行田市「古代蓮の里」の間伐材ウッドチップ舗装

アスファルトやセメントを使用しないウッドチップ舗装がある。木材、それも森林保全に役立つ間伐材を約1センチメートルの細かいチップ状にし、なめても安全な自然素材の凝固剤で固めたものだ。マンションの庭や大学のキャンパス、公共施設や公園などに導入されているほか、持続可能な町づくりのため、一般の歩道にも普及を図っている。

この舗装は「間伐材ウッドチップ舗装」と呼ばれ、山から下ろしたヒノキやスギのチップに、海水由来の酸化マグネシウムを主成分とする凝固剤と、土、砂、水を混ぜて固める。色調整にも木の香りが漂う樹皮100%の粉末を使うなど、自然素材へのこだわりは徹底している。

同製品を開発したピーブラン(埼玉県白岡町)の柴山利幸社長は「自然に返る素材しか使っていない舗装は、壊す日が来ても有害なゴミにならない」と、製品の使い終わりを見つめる。

凝固材は、万里の長城に使われた目地材に似た成分で、時間がたつほど強度を増すという。しかし、わだちができると傷むので、車道には向かない。木特有の弾力があり、歩道に適している。

ウッドチップ舗装は多層構造で水を瞬時に吸い込む。水たまりができにくい上に、蓄えた水を徐々に蒸発させてヒートアイランドを防ぐため、遊歩道や公園に取り入れられる例が増えている。

同社がある埼玉県は、都市に隣接していながら面積の3分の1を森林が占める。森林保全につながる間伐(間引き)を促進するため、同社はチップの原料を県産の間伐材と決めた。

この事業を推進するのは、柴山氏が2009年に立ち上げた「間伐材ウッドチップ舗装協会」だ。同協会には現在、企業、森林組合、大学など12団体が参加し、間伐材ウッドチップ舗装の研究開発や普及活動を行っている。森での木登り体験などを含む独自の教育プログラムも展開中だ。

協会ではウッドチップの大量生産体制を整え、公共施設や一般の歩道など公共工事にも積極的に参入しようとしている。2010年には山口県萩市の国定公園で、天然記念物の樹木へと続く歩道の舗装として採用された。今後も環境負荷を低減する工夫を盛り込んだウッドチップ舗装として、公道への普及を目指す。

柴山氏は「親の世代のときに日本の景色は様変わりした。自然とかけ離れた町の姿が、自分の孫の世代まで、このまま続くとは思えない」といい、木の道を増やす事業を「未来世代のために進めておきたいこと」と位置付けている。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)2010年1月28日

2011年1月31日(月)9:00

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