地域に適した自然エネ 自治体で活用

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主要国のエネルギー自給率。日本は原子力を輸入とした場合は4%(資源エネルギー庁『日本のエネルギー2010』より)

東日本大震災の影響で、日本はエネルギー問題と向き合わざるを得なくなった。これからの持続可能な社会を考えるとき、町や市ぐるみで低炭素社会づくりを進めてきた「環境モデル都市」の姿は、1つのヒントになりそうだ。

政府が2009年に選定した13の環境モデル都市は、地域特性に応じて自然エネルギーを導入し、低炭素都市づくりを進めている。自然エネルギーの中でも、風力発電と太陽光発電は世界各地で大規模な導入が相次いでおり、蓄電システムを含めて技術革新が目覚ましい。国内のモデル都市でも、それぞれの個性を生かして風と太陽の力を取り入れている。

高知県梼原(ゆすはら)町は、国内有数の発電に適した風を活用して、風力発電の収益で太陽エネルギーの利用を推進している。600kWの風車2基の発電を全量売電して基金を積み立て、太陽光発電を導入する町民に補助金として支給する仕組みだ。

長野県飯田市は平地の少ない中山間地域で、昔から野菜や果実の天日干しなど太陽を活用する農業を行ってきた。ほかの地域に先駆けて太陽エネルギーの利用機器が普及し、企業と協働のソーラー事業でも成功を収めた背景には、土地に根差した文化があった。その延長線上に、中部電力と共に2011年1月に運転を開始した1千kWの「メガソーラーいいだ」がある。

世帯数が多く、一戸建て住宅の比率も高い神奈川県横浜市では、住宅向け太陽光発電の普及が著しい。専用ホームページなどで市民への情報発信に力を入れ、小学校や町内会館に半額を補助して地域のシンボルとなるような太陽電池パネルの導入を進めた。その結果、2011年度の補助金制度には、最初の5日間で100件を超える申請があった。この3年間の導入件数は累計5千世帯に上る。2011年度末には累計7千世帯に達する見込みだ。

一方、同じ都市部でも、大阪府堺市では手厚い補助金にもかかわらず、住宅への導入は目標値に達していない。過半数の世帯が集合住宅に住んでいる同市の条件は、屋根と日照を必要とする太陽光発電にとって、やや不利である。しかし、臨海部には広大な産業廃棄物埋め立て処分場の跡地があり、そこでは関西電力との大型プロジェクトが進行中だ。このメガソーラーは、完成時には1万kWになる。

日本のエネルギー自給率は、国産の石炭や水力を活用していた1960年には約60%だったが、天然ガス、ウラン、石炭、石油など海外資源に依存している今は4%に落ち込んでいる(2007年IEA調べ)。地域にあるエネルギーを最大限に生かす取り組みが、全国各地に広がることを期待したい。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)2011年4月11日

2011年4月11日(月)11:50

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