飯田哲也氏、山口県知事選に出馬表明――「原子力ムラ」の「名付け親」

NPO環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は17日、7月12日に告示される山口県知事選挙への立候補を表明した。現在務めている大阪府市統合本部の特別顧問は辞任する意向。

飯田哲也氏(ISEPサイトから引用)。ツイッターは@iidatetsunari

飯田氏の立候補をめぐっては11日に各紙が報じたものの、その時点では「保守系や市民グループ、経済界など様々な方から出馬要請を頂いたのは事実ですが、現時点で立候補は白紙」とツイッターに書き込み、いったんは立候補を否定した。

その後、13日に同氏は自身が座長代理を務める大阪府市エネルギー戦略会議で委員を辞任する意向を示した。また、政府による関西電力大飯原発の再稼働方針についても同氏は「止められなかった責任を感じている」と述べていた。

今回立候補を表明した理由について、飯田氏はツイッターで「311後にエネルギー政策を変える使命があり、中央政府が逆回転し始めた今だからこそ、地域からの歴史的なダイナミズムを生みだしたい」「日本中が閉塞感に覆われるなかで、故郷から『脱官僚・脱中央・脱閉塞』による開かれたデモクラシー改革を通じて『本当に豊かな21世紀の地域社会』を目指したい」などと説明している。

飯田氏は山口県周南市出身で53才。自然エネルギーの活用を通じて持続可能な社会をめざす同氏は「ミスター・エネルギーシフト」として知られる。特に東日本大震災後は、東電原発事故を引き起こした閉鎖的な官民学の原子力利権構造の代名詞として、同氏が使う「原子力ムラ」という言葉が一般化した。

山口県内には中国電力が上関町で進める上関原発の建設計画がある。また、米海兵隊岩国基地(岩国市)などについて飯田氏がどのような姿勢を示すのかも注目される。現職の二井関成氏(69)が引退する県知事選には元国土交通省局長で自民、公明が推薦する山本繁太郎氏(63)、民主党衆院議員で無所属の高邑(たから)勉氏(38)がすでに立候補を表明している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年6月18日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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