一方、同科に就任予定のカルロス・マリア・レイナルース教授は、同じく古都と呼ばれる奈良の学生を例に挙げて発言。「奈良の学生には『観光地としての奈良を盛り上げたい』という熱意がある。しかし、同じ観光地として京都を参考にしようとしても、京都では新たな取り組みが見つけられない」と話し、危機感を感じるべき段階にあると述べた。
■ 「ほったらかし」は共生ではない
これからの京都に期待すること——。これについて国際文化学部の北條英明教務課長は、道が狭く、交通機関が複雑な京都ならではの対策を提案。
「移動の不便さも京都らしさ。案内板の英語表記など、インフラ整備をするのも大事だが、困っている外国人を地域の人がサポートできればいい」と話し、「また行きたいと思う印象的な街になるには、そうした人を増やさなければならない」と述べた。
にしゃんた氏は、京都だけではなく、日本の素晴らしい文化を知ってもらうことが重要と発言。「日本には世界に誇れる文化がある。年賀状やお歳暮を欠かさず贈ったり、見えなくなるまで人を見送ったり。素晴らしい文化」と讃えた。
しかし、この文化を理解してもらうためには「違い」を認めることが大切だと提唱。
「『ほったらかし』が共生じゃない。国や性別、顔に至るまで我々には違いしかない。その違いを認め、わかり合う努力をしないと、異文化を理解するのは難しい」と話し、皆が共に楽しみ、学び、笑う景色を作ることが共生であり、人と人の正しい付き合い方だと力を込めた。