住友理工は、大学生・大学院生・留学生らを対象にした「第8回 SDGs学生小論文アワード」を発表した。小論文のテーマは「”パーパス”を起点に企業を変えるには~存在意義はなぜ必要なのか~」。2022年6月1日から8月31日まで小論文を募集する。最優秀賞には賞金100万円、最優秀次席には50万円が贈られる。(オルタナ編集部)

これまでの受賞者

同アワードの応募資格は、国内の大学生、大学院生、短大生、高等専門学校生(4・5年生)、留学生。個人または3人までの団体でも応募できる。文字数は、9500~10500字で、募集期間は2022年6月1日から8月31日。

有識者らによる選考を経て、各賞が決まる。最優秀論文には賞金100万円(1人)、最優秀次席は50万円(1人)、優秀賞は10万円(3人)などが贈られる。同アワードは2014年から毎年開催しており、これまでに国内外から650人以上がエントリーした。

【第8回 SDGs学生小論文アワード by 住友理工】
テーマ:
“パーパス”を起点に企業を変えるには~存在意義はなぜ必要なのか~

SDGsや脱炭素、生物多様性の保全などが世界共通のゴールになりました。 企業には表層的な取り組みではなく、存在意義の「パーパス」から見つめ直す抜本的な変革が求められています。では、企業はどのようにパーパスを再定義して、どう実装すれば、社会から「選ばれる」企業になることができるのでしょうか。国際情勢が不安定さを増すなかで、今後の社会、環境、経済の変化を踏まえて、あなた独自の視点で具体的な方法を提案してください。

■”パーパス”とは?

「パーパス」を起点に経営戦略を考える企業が増えてきました。パーパスとは、受験英語では「目的」「意図」「用途」と訳されることが多いですが、この場合は少し違います。

英英辞書では、[the reason for which something is done or created or for which something exists]とあります。「何かが為されるか、生み出される理由。または何のために存在するかという理由」という意味です。一言で言うと「存在意義」となります。

米ハーバード・ビジネス・レビューのオンライン版に「あなたの会社のパーパスは、ビジョンでもミッションでもバリューでもない」という記事があります(2015年9月3日付け。筆者はグラハム・ケニー氏)。この記事では「パーパス」と、「ビジョン」「ミッション」「バリュー」との違いをこう書いています。

【ビジョン】組織(企業)が「何年か後にこうありたい」という姿。通常、経営層によって、日々の業務より長期のスパンの中で、明確で覚えやすい方法で思考するために書かれることが多い。

【ミッション】その組織(企業)のビジネスが今どこにあり、どこを目指しているのかを書くもの。経営層や社員に対して、よりフォーカスされた姿を明示することが目的。

【バリュー】望ましい企業文化。社員の行動規範としても機能している。

【パーパス】社員やスタッフが良い仕事ができるように、組織が顧客(企業の場合)や、学生(学校の場合)や、患者(病院の場合)の生活にどんな(良い)インパクトを与えられるのかを‪明確に表現するもの。(引用終わり)

このグラハム・ケニー氏の定義をもとにパーパスを解釈すると下記のことが言えます。

第1には、「ミッション」はより「一人称」としての視点が強いです。「私はこうしたい」「私はこうありたい」という思いです。一方、「パーパス」は、「社会やコミュニティの中で、こうありたい」というスタンスが強い傾向にあります。いわば「第三者的な視点」が加えられている概念です。

第2には、社外(組織外)に対する明確なメッセージである以上に、社内に対する力強いメッセージであることが多いです。いわば「インナー・ブランディング」のツールとしての機能を持っています。

第3には、ビジョンやミッションが一般的に未来に向けた「方向性」(ベクトル)を表すものであるのに対し、パーパスは「原点」を表すことが多いです。パーパスでは、ミッションやビジョンのように「今から何をしよう」「こうありたい」ではなく、「何のために私たち(の企業/組織)は存在しているのか」ーーが強く問われています。

文字数:9500~10500字(要約:800字)
論文受付期間:2022年6月1日(水)~8月31日(水)23:59 

応募条件:全国の大学生・大学院生・留学生・短大生・専門学校生(最大3人の連名応募も可)
賞金:
最優秀賞:1点(賞金100万円)
最優秀次席:1点(賞金50万円)
優秀賞:3点(賞金10万円)
審査委員特別賞:(副賞:記念品)※該当論文なしの場合もあり

【最終審査委員】

高村 ゆかり 氏 *審査委員長
東京大学未来ビジョン研究センター教授
島根県生まれ。専門は国際法学・環境法学。京都大学法学部卒業。一橋大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学。静岡大学助教授、龍谷大学教授、名古屋大学大学院教授、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)教授などを経て現職。国際環境条約に関する法的問題、気候変動とエネルギーに関する法政策などを主な研究テーマとする。日本学術会議会員、再生可能エネルギー固定価格買取制度調達価格等算定委員会委員、中央環境審議会委員、東京都環境審議会会長なども務める。日本のパリ協定長期成長戦略を策定する懇談会委員も務めた。『気候変動政策のダイナミズム』『気候変動と国際協調―京都議定書と多国間協調の行方』など。

山口 隆司 氏
長岡技術科学大学 学長補佐
技術科学イノベーション専攻教授・フェロー
国立大学法人長岡技術科学大学学長補佐、技術科学イノベーション専攻教授・フェロー、博士(工学)。平成3年長岡技術科学大学建設工学課程卒業、同大学院修了。平成7年呉工業高等専門学校助手、平成19年長岡技術科学大学准教授、平成24年より同教授。専門は水環境工学で、微生物を活用した下水・産業廃水再生・養殖に関する技術開発を国内、アジア、アフリカを実装現場として展開。加えて、マルチな人材育成を促すファシリテーションやマネジメントなどの科目づくり、およびSDGsのムーブメント醸成を推進。受賞歴は平成25年文部科学大臣表彰、平成30年土木学会研究業績賞など。好きな言葉は,蠱惑美(こわくび)。

平本 督太郎氏
金沢工業大学SDGs推進センター長/経営情報学科准教授
メディアデザイン博士(慶応義塾大学)。野村総合研究所(NRI)にて経営コンサルタントとして活躍。日本政府・国連機関等と共に、MDGs/気候変動対策に貢献するビジネスの推進政策の立案、民間企業に向けた事業創造支援を行い、社長賞を受賞。2016年度金沢工業大学着任後、現場統括として第1回ジャパンSDGsアワード(官房長官賞)受賞、顧問として会宝産業の第2回ジャパンSDGsアワード(外務大臣賞)受賞に大きく貢献する。一般社団法人BoPグローバルネットワーク・ジャパン代表理事、文部科学省ユネスコ未来協創プラットフォームコアメンバー、NHK中部地方放送番組審議会委員、白山市SDGs推進本部アドバイザリーボード座長、SDGsに関する万国津梁会議委員(沖縄県)他、日本政府・自治体のSDGs関連の各種委員を歴任。

■アワードの歴史
2014年にスタートした、住友理工学生小論文アワード。これまでに国内外から650本を超える小論文の応募がありました。これまでのテーマと最優秀・最優秀次席の作品をご紹介します。

第1回 
これからの男女共同参画とは-こんな会社で働きたい-
最優秀賞:「働く人の対等なパートナーシップが築く男女協働参画社会を求めて-企業理念と組織風土のリコンストラクション」福屋実希子、久米祐梨子、小坂幸美(法政大学人間環境学部人間環境学科3年)
最優秀次席:「競争力としてのダイバーシティ-にわかダイバーシティからの脱却-」圷 陽太郎(高崎経済大学地域政策学部観光政策学科4年)

第2回 
真のグローバル企業とは-こんな会社で働きたい-
最優秀賞:「グローバル企業における企業理念の重要性」高橋祐人(東京大学大学院新領域創成科学研究科修士1年)
最優秀次席:「多様性は何の母?-夢を紡ぎ、企業の一員へと成長する場の提供-」藤田このむ(神戸大学農学部3年)

第3回 
21世紀型のイノベーションはどうあるべきか?-こんな会社で働きたい-
最優秀賞「東北に寄り添い、東北で学ぶ〜課題先進国での新しいイノベーションのカタチ〜」佐々木真琴(群馬県立女子大学国際コミュニケーション学部3年)
最優秀次席「戦略的社会課題解決によって世界中のみんなを幸せに!そんな企業で私は働きたい〜Strategic Solution to Social Problems through Business 3.0〜」福田紗千(神戸大学経営学部4年)

第4回 
SDGs時代のビジネスのつくり方-「未来に選ばれる会社とは」-
最優秀賞:「“WHAT”から“HOW”へ 〜パラダイムシフトの中で〜」 尾和恵美加(Kaospilot1年)
最優秀次席:「自前主義の誤謬 〜SDGs時代に求められるリンケージ経営〜」犬塚万理菜、伊東萌花(法政大学人間環境学部人間環境学科3年)

第5回 
SDGs(持続可能な開発目標)を達成するためにどうイノベーションを起こすかー「未来に選ばれる会社」とはー
最優秀賞:オレンジ企業 森 陽愛子(筑波大学医学群医学類4年)
・最優秀次席:無意識なエシカルを広める ―対話の場を生むイノベーション― 高槻祐圭(大阪大学法学部国際公共政策学科3年)

第6回 
企業が持続的に成長するために、SDGsにどう取り組めば良いのか
最優秀賞「『ローカルな結束力』をいかした企業集積モデル」 中島 優成(東京大学教養学部2年)
最優秀次席「サーキュラー型経営思考」 久保田 陸(慶応義塾大学商学部4年)

第7回 
グリーンとデジタルを追い風に社会を変える企業とは
最優秀賞:慈善事業から本業へ ー⾧期的な視点をもった持続可能な製造業へー 武井 七海(京都大学大学院 農学研究科修士2年)
最優秀次席:非接触テクノロジーが生み出す社会の未来像 林 友梨香、本庄 将武、大石 菜々子(法政大学人間環境学部3年)