「レベル7」遅い対応と批判、独紙

【ドイツ=田口理穂】福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)が4月12日、「レベル7」に引き上げられたことについて、ドイツの多くのメディアでは「遅まきながら、日本政府はやっと現状を認識した」と受け止めている。

レベル5から、史上最悪の旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じレベル7になり、南ドイツ新聞では「これまでの数週間日本の役所と電力会社は福島の危険性を無害なものと見せようとしてきたが、やっと危険性について公に認めた」としている。

放射能の排出量や周囲への影響などチェルノブイリと福島との違いも解説している。「現在までに放出された放射性核種の量は、チェルノブイリの約10%」としながら、「9割分がまだ残っているため、万が一事態が深刻化したら、被害がより大きくなる可能性は否定できない」という。

チェルノブイリの事故により、ドイツでも牛乳や農産物から放射能が検出された恐怖を覚えているドイツ人にとって、福島が同程度であるというのはショックだ。25年前の事故の影響が、現地の白血病の子どもや南ドイツの汚染されたキノコという形でいまだ見られるため、福島の将来を危惧する声はますます高まっている。(在外ジャーナリスト協会 旧ユナイテッド・フィーチャー・プレス)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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