今年10月に名古屋市で開かれる国連生物多様性条約の第10回会議(COP10)で採択予定の議定書をめぐる特別作業部会が20日、カナダのモントリオールで開かれた。「遺伝資源」と呼ばれる微生物や動植物から開発された食品や医薬品の利益を配分するルールについて、利用国の企業と原産国側の当事者間で決めることで大筋合意した。
議定書では遺伝資源の利用と、それを加工して作った「派生物」の利用方法が焦点に。原産国であることが多い途上国は派生物で得られた利益も配分の対象にすべきと主張。これに対し、遺伝資源を利用する先進国側は反発した。
途上国は「派生物」という用語の代わりに「遺伝資源の利用」という項目を設け、企業と原産国が契約を交わすことを義務付けることで一致した。ただし内容に曖昧さを残すため、議定書の採択は不透明さが残る。(オルタナ編集部=石井孝明)2010年9月21日