原子力発電所周辺の活断層の評価をめぐる問題点について学ぶ勉強会が25日夜、都内で開かれた。この中で、地形から活断層の位置を読み取る変動地形学が専門の渡辺満久・東洋大学教授は「電力会社が活断層を値切り、専門家がこれを見抜けない」と指摘し、原発建設を優先するために活断層の危険性を低く見積もる政府と電力会社の姿勢を批判した。
この中で渡辺教授は活断層のリスクが高い原発として島根、敦賀、建設中の大間を挙げた。特に島根原発周辺の鹿島(宍道)断層をめぐっては、中国電力と政府が活断層の存在を否定した地点で、渡辺教授らの指摘通り活断層が見つかった実例を踏まえて「活断層を評価する人間が電力会社を気にする必要はない」と語り、中立的な評価組織の設立が急務だと訴えた。
勉強会はNPO原子力資料情報室が主催し、その様子はユーストリームで同時中継された。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年10月27日