「ろう者」と「聴者」が共に作り上げるプロレス

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HEROの試合の様子

NPO法人日本聴覚障害者エンターテイメントサポート(東京・中央)では、手話の普及活動や健常者と聴覚障がい者が交流するプロレス団体「HERO」を運営している。

同団体の代表理事で、聴覚障がい者を家族にもつ佐藤剛由さんは言う。

「私の家族は全員1級の聴覚障がいを持っており、私だけが健聴者として生まれてきました。聴覚障がい者と健聴者とでは、伝えたいことが正確に伝わらないということが多く、私自身も両者の間に立ち、何度も何度も悔しい気持ちを味わってきました。どうやったら聴覚障がい者と健聴者がお互いを理解し合えるのか。悩んだ結果、HEROというイベントを立ち上げました。目で楽しむイベントであれば、聴覚障がい者と健聴者との間に立ちはだかる壁も、なくせるのではないか。一部の障がい者は健聴者に自ら敵対心を持ったり、壁をつくったりしがちです。その壁をHEROというイベントで壊したい」

そして、2010年2月20日。HEROは東京・新木場1stRINGで旗揚げすると、370人もの観衆が集まった。

翌2011年8月13日にシアター1010で開催した第4弾のHEROは、聾被災者救援チャリティーイベントとした。この回は満員となり、チャリティ収益で東日本大震災聴覚障害者救援団体宮城本部に湯たんぽ数十個を一部の選手・スタッフらで運ぶことができた。

だが、会場費など開催する経費が高額なために赤字が続き、財政難に陥り、6回目の開催を最後に休止状態になった。

そこで、第7回目のHEROの運営費を集めようと、クラウドファンディングサイト「ready for?」で資金調達を試みたところ、11月18日に目標金額35万円を達成。2013年2月16日に新木場1stRINGで開催できる見込みだ。

HEROがきっかけで聴覚障がい者のことを知り、手話に興味を持ち始め、交流会などに積極的に参加する客が増えてきているという。

なお、HEROでは、選手の発掘・育成も行っている。練習に多く参加できれば、健聴者か、ろう者かは不問。ふだんリング上で実際闘っている選手に監督・指導を受けて本格的に練習を行い、勉強会としてプロの団体の試合観戦や有名選手の交流会を随時行っている。月謝や入会費もない。(今一生)

2012年12月3日(月)12:57

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