自転車の安全で適正な利用を掲げる東京都の条例案へのパブリックコメント(意見募集)が25日まで行われている。一見すると自転車の利用を促す印象を受けるが、自転車利用者や事業者に対する規制が濃い内容となっている。
同案は7章からなり、自転車道の整備の推進、自転車通勤を認める事業者への駐輪場の整備の義務化、ノーブレーキ自転車(ピスト車)の販売禁止などが盛り込まれる。また、レンタサイクルや自転車便などの事業者を対象に任意の登録制度を設けるとしている。自転車利用者に対しては、全国で初めて大人と子供を問わずヘルメットの着用に努めるよう求めた。
ところが同案で推進の対象となっている自転車道は、車道左側に柵を設けて自転車を対面通行させるもので、道幅も狭く新たな事故の温床となりうる。また、駐輪場整備の義務化により事業者が自転車通勤に後ろ向きになる可能性があるほか、任意の登録制度に至っては実効性が明らかでなく「税金の無駄使い」で終わる恐れもある。(オルタナ編集部=斉藤円華)