独 派遣社員の低賃金が問題に、正社員との差額請求に時効

ドイツでは全国に約7500の派遣会社がある。派遣社員は年々増加し、現在は80万人が派遣社員として働いている。給料が少ないために、失業すると即生活保護を受給となる人も多く問題になっている。

2010年ころまでは、派遣労働者の組織「派遣と人材サービスエージェントのためのキリスト労働組合(CGZP)」が協定で決めた賃金が、多くの職場で派遣社員に支払われていた。全国80万人の派遣社員のうち、CGZPの会員は1400人のみ。協定賃金は額が安く、雇用者にとっては都合がいいが、労働者には不利益となっていた。

これを受け、連邦労働裁判所は2010年12月、CGZPは登録者が少なく派遣者の代表にはならないとし、雇用者とCGZP間で定めた給与額は実効力がないとした。CGZPは2003年から2010年までに、全国で1000以上の派遣会社と協定を結び、それにより約20万人がCGZPの協定額を受給していた。

以後、派遣社員用の協定賃金がないため、労働者派遣法により派遣労働者は正社員と同じ給料をもらう権利がある。しかし雇用者である企業が応じない場合は、裁判に訴えるしかない。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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