南相馬で脳卒中患者「3.4倍増」、医師は「医療崩壊」訴え

国会の参考人として地域医療の実態を訴える南相馬市立病院の及川友好医師(衆議院インターネット審議中継)

福島県の南相馬地域で、脳卒中患者の発症率が震災前から3倍以上に高まったという医師の報告が波紋を呼んでいる。原発事故による放射能の影響も完全には否定できないが、要因として強く訴えるのは仮設住宅暮らしによる生活の変化や不十分な医療ケア。復興どころでない「医療崩壊」の進行が深刻さを増している。

南相馬市立総合病院副院長で広島大学客員教授(脳神経外科)の及川友好医師が8日、衆議院の東日本大震災復興特別委員会に参考人として出席し、原発事故後の患者の健康管理などについての現状報告の中で明らかにした。

「まだ暫定的ではあるが、恐ろしいデータが出てきています」

及川医師はこう切り出し、「われわれの地域での脳卒中発症率が65歳以上で約1.4倍、35歳から64歳までの壮年期では3.4倍に上がっている」と公表した。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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