記事のポイント
- キリングループは育児の疑似体験を行う研修「なりキリン」を全社で展開
- ウェルビーイングに欠かせないチーム内の相互理解を深めることが狙いだ
- 若手社員の声から生まれたこの研修は同社の風土改革を進める象徴的な取り組み
キリングループは、育児や介護などの疑似体験を行う研修「なりキリン」を全社で展開する。急な早退など突発対応に備えることで、ウェルビーイングに欠かせないチーム内の相互理解を深めることが狙いだ。若手社員の声から生まれたこの研修は同社にとって、風土改革を進める象徴的な取り組みだ。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

「なりキリン研修」は、キリングループが掲げる「多様性・公平性・インクルージョン」推進の中核をなすプログラムだ。この研修は2016年に若手の女性社員の声をきっかけに企画された。その独自性と実効性が評価され、19年からは、グループ全社で導入を進めてきた。
研修の概要はこうだ。参加社員は、指定された期間中、育児中の親や介護者などの立場を疑似体験する。月1―2回程度、保育園や病院などからの「緊急の呼び出し」を想定した指示が出る。事前通知はない。
この呼び出しを受けた参加者は自身の業務をチーム内に引き継いだ後、すぐに退勤しなければいけない。 この呼び出しを受けた参加者は突発対応を通して、当事者が日常的に直面する制約や時間管理の難しさを体感する。
参加した社員からは、「定時で帰ることの難しさを実感した」といった声が上がった。
職場の風土を変えることにも一役買う。参加者が予定外の退勤をすることで、同僚が業務を支える必要が生じる。そのため、全員が柔軟な働き方を真剣に考えるきっかけとなっているという。
チームメンバー間の支え合いが広がり、権限委譲や仕事の共有といった職場内の協力体制が強まる効果もあった。

とを周囲に公表する
■なりキリン研修、広がる

