米マクドナルドが30年のGHG削減目標は「達成できない」と公表した理由は

記事のポイント


  1. 米マクドナルドは30年の脱炭素目標について、「目標未達」を明らかにした
  2. 企業が脱炭素目標の「未達見通し」を公表するのは珍しい
  3. なぜマクドナルドは「目標未達」を早期に認めたのか

米マクドナルドはこのほど、2030年に向けて掲げていた温室効果ガス(GHG)排出削減目標のうち、「スコープ3」の削減目標について、当初の計画通りには達成できない見通しを明らかにした。企業が脱炭素目標の未達見通しを公表するのは珍しい。その狙いとは。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

マクドナルドは30年目標は未達の見通しを示したが、目標そのものは取り下げてはいない

マクドナルドが脱炭素目標の未達見通しを公表した背景には、近年強まるサステナビリティ情報開示の厳格化や、実現可能性を重視する投資家の視線があるとみられる。

マクドナルドは5月に公表した声明の中で、店舗運営などに由来するスコープ1・2のGHG排出量については、再生可能エネルギーの導入や店舗の省エネ化によって2030年目標を上回るペースで進捗していると説明した。包装材についても、2025年末時点で顧客向け主要包装材の95.8%を再生可能素材、再生材、認証材に切り替えたとした。

一方で課題は、サプライチェーンを含む「スコープ3」だ。フランチャイズ店舗、農業、畜産、原材料調達、物流など、サプライチェーン全体から発生する排出量は、同社の総排出量の99%を占める。

マクドナルドは「スコープ3のGHG削減には企業単独では解決できない構造的な課題がある」とした。世界的な電力需要の増加によって、再生可能エネルギーの導入速度を上回る地域が増えたことに加えて、地政学的リスクの高まりがサプライチェーンに深刻な影響を与え始めた。

特に農業分野では、農家による再生型農業への移行や土地利用の改善が不可欠だ。しかし、これらは単一企業が指示するだけで実現できるものではなく、政策支援や業界全体の連携が求められる。

■従来目標を掲げればグリーンウォッシュに
■2050年「ネットゼロ」目標は変えない
■政策面での強力な「後押し」を訴え

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #脱炭素

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