ろうの写真家が撮る、言葉を越えた「せかいさがし」

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「言葉で区別しない、子どもに戻りたいと思って撮っています」

東京・神宮前駅から徒歩5分。民家を改修したアートスペース「青山ゼロセンター」で、少し変わった写真展が開かれている。斉藤陽道(はるみち)(29)さんの「せかいさがし」だ。2010年の大規模コンテスト「写真新世紀」で優秀賞を獲得し、ファッション雑誌や週刊誌でも活躍している。

玄関を入ると、斉藤さんが静かな笑顔で迎えてくれた。声による挨拶は無い。齋藤さんは生まれついての難聴で、手話のできない人とは筆談で会話をする。

会期中の2週間はこの会場で寝泊りしているので、ほぼ在廊している。普段勤めている会社にも許可を取り、ここで仕事もする。

訪れた人たちにお茶を出し、紙に書いた言葉で会話をする。斉藤さんの家に訪問したような静かでありながら豊かな空間が広がる。

床の間や押入れの中、別室では10分超のスライドなど、作品が二階建て一軒屋のあちこちに展示されている。

太陽の光にあてられた雑草たち、路駐したバイクの綺麗な模様――。日常でつい見逃してしまう、美しい世界の片鱗を静かに写しとる。

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2013年5月28日(火)14:54

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