環境省への批判高まる――最高裁判決でも水俣病の認定基準見直さず

最高裁判決から2カ月がたつが、敗訴した環境省は、何事もなかったかのように現行制度を運用している。

判決では、水俣病の認定基準「77年(昭和52年)判断条件」において、複数症状の組み合わせを条件としてきたことについて「多くの申請について迅速かつ適切な判断を行うための基準を定めたものとしてその限度での合理性を有する」と、「条件付き」で有効性を認めた。

環境省は、「合理性を有する」の部分を強調し「基準は否定されていない」と主張している。

ところがこの部分以外の判断条件について判決は、「積極的に否定している」と山口氏は指摘する。重要なのは、77年判断条件の誤った部分により、最も多い感覚障害のみの申請者が、水俣病と認定される余地を排除されてきたことだという。感覚障害のみの水俣病を最高裁は認めた。「多数例を除外してしまう制度は意味がないと最高裁は言っている」(山口氏)

さらに判決は、水俣病かどうかの判断は、行政処分庁(この場合環境省)の裁量に委ねられるべき性質のものではないといっている。したがって「水俣病は判決にあったように『客観的事象』であるから、認定基準は最新の知見を持つ学者、弁護士、患者、支援者らにより公の場で決めるべき。環境省と熊本県が密室で進めている検討は、最高裁の判決に反する」と主張した。

現在、環境省は、認定基準について熊本県も交えて検討を進めているが、具体的な内容やスケジュールは明らかにされていない。この点を明らかにするため、弁護団は7月中に環境省に申し入れを行う予定だ。(オルタナ編集委員=奥田みのり)

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2013年6月24日(月)15:33

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