美波町は町民7700人の40%以上を65歳以上が占める「課題先進地」である。本社移転の翌月に立ち上げた「あわえ」は、過疎地に山積する課題解決を専業とする。「一過性のボランティアではなく収益事業として持続するために」株式会社として開業した。
主な事業は3つ。まず、IT技術を生かして、地域の祭りや昔話などの文化資産を、津波にも備えてデジタル保存していく。また、少数多品目の農水産物のブランディングやEC(イー・コマース)導入を進め、衰退している一次産業を活性化する。さらに、企業誘致や雇用創出を図り、定住者の増加と地域経済の振興を目指す。
吉田社長は「地元行政も協力的で、地域に残っている若者たちの課題意識も高い。地方で生きていきたい都会の若者からの反応も良い。他の進出企業も含め横の連携を強めて、過疎地再生のモデルケースにしたい」と抱負を語った。
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