編集長コラム) 「ソーシャル・ブランディング」序章

詳しくは35号28ページからの第一特集をご覧頂きたいのですが、念のために申し上げると、「ソーシャル・ブランディング」を打ち出したからといって、CSRという言葉を軽視するつもりは全くありません。むしろ、「企業経営とCSRは表裏一体だ」という思いはますます強くなってきました。

CSRとは、経営や企業活動において常に念頭におくべき「理念体系」であり、それを礎にして、ソーシャル・ブランディングやCSV(共有価値の創造)を進めていくことが大切だと思うのです。

もう一つ、強調させて頂きたいのは「ソーシャル・ブランディング」は、フェイスブックやツイッターなどの「ソーシャル・メディア」を通じたブランディングを指す意図はないことです。

フェイスブックやツイッターはマーケティングの世界に大きな影響を与えるようになりましたが、それはあくまで「ツール」としてのメディアであり、「ソーシャルの本質」をきちんととらえなければ企業も社会も変革できないと思います。

そして、この「ソーシャルの本質」とは、誰しもが根源的に持っている「社会を良くしたい」という利他的な本能なのです。これを米国では数年前から「ソーシャル・グッド」という言葉で表現してきました。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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