「京のおばんざい」から食の循環を学ぶ

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発酵が進み過ぎたものは、水でさらす、刻んで調理するなどの一手間をかけて食べられていた

「和食」がユネスコの無形文化遺産登録を受け、世界中で日本食文化への関心が高まるなか、龍谷大学は2015年4月に農学部の開設を予定している。農業を「食の循環」という観点でとらえ、地球規模の諸課題の本質的な解決に寄与できる人材育成をコンセプトとしている。同大学は、農学部開設に向けて「食の循環」をテーマとしたトークセッションをシリーズ展開している。第1回は12月、京都出身の料理研究家・杉本節子氏をゲストに招き、「食の循環」について議論された。(オルタナS関西支局特派員=楢侑子)

杉本氏は、京都の商家に生まれ育ち、代々受け継いで来た歴史や文化の継承に努める。和食の無形文化遺産登録をきっかけに、京都府・市も京都の食文化を後世に伝えることに意欲的になったと述べ、「子ども、大人を含めて今後食育を広めていきたい」と話す。

会場の参加者には、「おこうこの炊いたん」が振る舞われた。これは京都の伝統野菜の桃山大根を麹と塩で漬けて炊いた「たくあん」とよく似た保存食。江戸時代から京都の商家の食習慣の中には欠かせないおばんざい(おかず)だった。

口に含むと、大根のサクッとした歯触りにじゃこの旨味が広がり、後からはピリリとした鷹の爪の辛みが加わる。

質素倹約、分相応を体現していた江戸時代の京都の商家の食事は「朝夕茶漬け、香の物。昼一汁一菜」が一般的だったとされており、この「おこうこの炊いたん」は日常的に食卓に登場したという。

出汁を取った後の昆布や鰹、煮干しなどを刻んで炊いた「出汁がらの炊いたん」などもよく食べられていたそうだ。

「平たく言えば『もったいない、ほかさん(捨てない)とこう』の精神ですが、物を捨てず、お金を使わずに新しい物を生み出す、生活の知恵だったと言えます」(杉本氏)

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2014年1月20日(月)20:49

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