ワタミ、「24時間365日死ぬまで働け」を取り下げ

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ワタミ創業者の渡邉美樹参議院議員。創業記念祭で(2014年5月12日)

ワタミグループは社員向けの冊子「理念集」に記載していた一文「24時間365日死ぬまで働け」を正式に取り下げると表明した。このほど創業30周年を記念して横浜市で開いた「創業記念祭」で、集まった3000人の社員らを前に発表した。同社に対してブラック企業との批判があるなかで、「世間から誤解を受けかねない」と判断した。(オルタナ副編集長=吉田広子)

ワタミの桑原豊社長は、オルタナからの取材に対して、その真意を「仲間に関心を持つこと、『親身』になって部下を思うこと、お客さまを大切にすること、取引先、株主とともに成長していくこと。このような思いから生まれた言葉」と説明した。実は、この理念集には「本気で『365日24時間』働いて欲しいなどと考えていません」という記述もあるという。

だが、2008年に当時26歳の女性社員が入社2カ月後に自殺した問題を機に、社会からの批判が強くなり、ここ1-2年ではワタミがブラック企業の代名詞のように受け止められるようになった。

自殺した社員の遺族も「24時間365日――という言い回しは、社員が会社に尽くすことを強いる思想が感じられる」として、厳しく批判していた。「外部有識者による業務改革検討委員会」から2014年1月に受領した調査報告書でも、「表現を再検討することが望ましい」という指摘もあった。

そこで同社は、「遺族の心情を察すれば、言葉の表現はこれまで以上に慎重であるべきであった」(桑原社長)と考えを改め、理念集で「24時間365日死ぬまで働け」という一文を「仕事とは、生きることそのものである」という表現に変えた。すでに全社員に配布済みの理念集については、シールを貼ることで対応した。

創業者の渡邉美樹参議院議員は創業記念祭で、「仕事とは、単なる時間とお金のやり取りではなく、人生そのもの。労働は決められた時間内で行うことが前提だが、仕事が終わった後も心を配り、自分の仕事を振り返ってほしい」と話した。

同社は2014年3月、「理念研修」を廃止したほか、その他研修や会議、ミーティングの時間を大幅に削減することを発表した。一般職では、年間244時間から同80時間に、店長職では年間275時間を同140時間に減らした。

さらに、全体の店舗数の約1割相当にあたる60店舗を2014年度中に閉鎖し、1店舗あたりの平均社員人数を現状の 1.66 人から 1.83 人(目標 2 人)に引き上げる。従業員の実質的な負担を減らし、労働環境を改善していく考えだ。

2014年5月19日(月)15:40

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