大飯原発判決で脱原発弁護団「他の原発にも当てはまる」

関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決が21日、福井地裁(樋口英明裁判長)で言い渡された。これを受けて原発差し止め裁判を支援する弁護士らで作る「脱原発弁護団全国連絡会」は22日、「判決は、大飯原発3、4号機に限らず、原発が抱える本質的な危険性を認めた」などとする見解を示した。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

大飯原発3、4号機 (Wikimedia Commons.)
大飯原発3、4号機 (Wikimedia Commons.)

判決は、原発のストレステストの基準とされた1260ガルの揺れを上回る地震が起こりうると判断した。また、700ガルから1260ガルの揺れでも過酷事故につながる危険があると指摘。その上で「人格権が極めて広範に奪われる事態は原発事故以外に想定しにくく、具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然」としている。

見解は共同代表の河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士の連名で発表。この中で、判決の波及効果について「主給水の遮断が基準地震動以下の地震動によって生じ得ることは、加圧水型の原発全てに当てはまる。判決のその他の指摘も、全国の原発すべてに当てはまる」とした。

さらに判決について「これまで原発を容認してきたも同然であった司法が、福島第一原発事故とその被害の深刻な現実を目の当たりにして、『地震という自然の前における人間の能力の限界』を率直に認める画期的な判断を下したものと言える」と評価している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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